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Passage Tells:Shibuya、渋谷駅で働く人びとに焦点を当てたサウンドインスタレーション

渋谷駅地下のコンコースで3月18日より、渋谷駅で働く人びとに焦点を当てたインスタレーション「Passage Tells:Shibuya」が開催される。

パフォーマンスアーティスト・中澤大輔さんらが手掛ける「Passage Tells Project」は、街のある1つの通路に焦点を当て、そこで働き暮らす人たちのインタビュー音声から制作される「サイトスペシフィック・サウンドインスタレーション」。2015年、南ロンドンのブリストンで初開催された「Passage Tells: Brixton」は、ジェントリフィケーション(家賃上昇により街が高級化する現象)が進むブリクストンの街にある、昔ながらの小さな商店街を舞台に実施。参加者は渡されるヘッドフォンをして商店街を歩くと、そこで暮らす移民たちが抱える将来への不安、街の変化で生じるアイデンティティの揺らぎなどをインタビュー音声として聞くことが出来るという仕掛け。視覚情報として入ってくる商店街の外見と、聴覚情報として入ってくるそこで暮らす人びとの本音や内面が交錯し、参加者に様々な想像力を掻き立てるとともに、まちへの関心や興味を喚起した。第2作目は、スコットランドのエジンバラで「Passage Tells:Edinburgh」開催。歴史ある観光地のメインストリート周辺で暮らし続ける地元の人びとの生活に焦点をあて、観光地化の光と闇を浮き彫りとした。

ロンドン、エジンバラに続く、第3作目となる今回の東京バージョンでは、渋谷駅の駅構内で働く労働者に焦点を当てる。渋谷ヒカリエからSHIBUYA109までの渋谷駅の地下を結ぶ地下コンコース「渋谷ちかみち」を利用し、運転士や駅係員、清掃員、技術者、再開発の工事関係者など駅構内で働く様々な労働者たちの声や駅の音を聞きながら、普段何気なく通り過ぎてしまう渋谷の風景を改めて見つめ直すというもの。人口超過密都市・東京で、大量の利用者が円滑に移動できるのは、巨大な輸送システムが正しく機能しているからであるが、その輸送システムを担うのは、駅構内で働くたくさんの人びとの個々の力に他ならない。日ごろは彼らの存在をほとんど意識することはないが、同作品への参加を通じて、新たな視点から巨大な駅・渋谷を支える労働者たちの存在をクローズアップする。

きっといつも歩いている渋谷駅地下の風景が違って見えるはずだ。ぜひ期間内に参加してみてほしい。なお、参加希望者はウェブサイトから事前予約が必要。

 「Passage Tells:Shibuya」
 〇開催:2017年3月18日(土)/19日(日)/20日(月・祝)/25日(土)/26日(日)
 〇時間:各日10時/11時/12時/13時/14時/15 時/16 時 所要時間45分程度
 〇場所:集合は「渋谷ちかみち総合インフォメーション」
    ※東横線・田園都市線渋谷駅地下1 階コンコース。渋谷109 地下通路近く
    ※ヘッドフォンは貸出
 〇料金:無料
 〇予約:http://passagetellsproject.net/shibuya 
    ※人数制限制につき、要事前予約


<関連情報>
ラジオ番組「渋谷文化プロジェクト」(隔週水曜日生放送)の3月1日放送回に、アーティスト・中澤大輔さんにゲスト出演していただきました。番組の中で「Passage Tells:Shibuya」のコンセプトや詳しい内容をうかがっていますので、ぜひオンエアチェックしてくださいね。 左)シブヤ経済新聞・西編集長 右)中澤大輔さん

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