
4回目を迎える、今回の「渋谷文化茶会」のテーマは「渋谷ヒカリエからシブヤを考える」。かつての「東急文化会館」のDNAを引き継ぐ、エンターテイメント色の強い高層複合施設として大きな関心が寄せられている「渋谷ヒカリエ」。4月26日の開業が正式決定し、商業施設「ShinQs(シンクス)」および各フロアの詳細も明らかとなり、いよいよオープンに向けてカウントダウンが始まりました。今回の渋谷文化茶会では新しい複合商業施設の誕生に伴い、「渋谷の街」が一体どのように変貌していくのか、これからの「渋谷の未来地図」を素敵なゲストパネリストを迎え、飲食やショッピング、ミュージカルなどのコンテンツ面を中心に個性的な三者三様の立場からガールズトークを展開しました。
パネリスト

西本裕美さん
(アイエイチ・ラブ代表)
女性を中心としたマーケティングや、WEBマガジン『渋谷ステーション』を展開する。

まつゆう*さん
(モデル、プランナー)
Twitterのフォロワーは20万人近く、ブログ、SNS、ストリーム中継などで活躍中。

もふくちゃん
(モエ・ジャパン代表)
秋葉原でDJバー「MOGRA」などを運営し、アイドルのプロデュースなどを手掛ける。

コーディネーター/司会
松岡正美さん(キャスター)
NHKのキャスターを経て、現在は医療番組のほか各種イベントのコーディネートなどを務める。
- 「渋谷文化茶会 其ノ四」開催概要
- 日時:
- 2012年2月10日(金) 19:30〜21:00
- 会場:
- セルリアンタワー能楽堂
- 参加者:
- 80人
松岡:皆さん、お能の舞台に上がられるのは初めてだと思うんですが、実際に舞台に立たれてみていかがですか。
西本:床も普通のフローリングとは違って響きますね。すごく気持ちが引き締まって、背伸びをしている気分です。

松岡:まつゆう*さんは今日、お着物でいらしてくださって。
まつゆう*:今日は足袋を履くと聞いたので、着物以外ないかなと思って、頑張っちゃいました。
松岡:素敵です。もふくちゃんはいかがですか。
もふくちゃん:日本人だからでしょうか、普通のライブハウスよりも安心する感じがありますね。今日はそんなに緊張せずにできそうな感じがします。
松岡:「女子会」ということで、楽しく進めてまいりたいと思います。

若者のエネルギー、パワーが減っているなと感じます。
松岡:まず、最近の渋谷についてどんな印象を持っていらっしゃいますか?

西本:毎日センター街を通って会社に行くのですが、最近は「若者がどんどん減っているな」という印象が強いです。人口が減っているのも理由でしょうが、私が渋谷にデビューした十数年前に比べると、センター街付近の若者のエネルギー、パワーが減っているなと感じます。
まつゆう*:小さい時から渋谷を見ていますが、確かに私たちが若い頃に比べて人が減っている感じはありますね。ただお給料日などはすっごく盛り上がってたりもします。
もふくちゃん:今日がお給料日っていうのは、そんなに分かるものなの?
まつゆう*:分かるよ。スクランブル交差点を通る時には「今日の渋谷のノリ」を見るようにしているんだけど、毎日見てると「今日は、多分みんなお金持ってるな」とか、分かる。あと、渋谷って昔は「高校生の街」という印象が強かったんですが、最近は自分たちと同じ年代のアラサー女子が多い印象もありますね。しかもまだみんな「109」とかで買い物してます。
西本:してますよね。
まつゆう*:ひと昔前に比べるとちょっと盛り上がりに欠けるかもしれないですけど、渋谷にはファストファッションも、ハイブランドもあるし、私はやっぱり渋谷が好きです。
秋葉原は10代がすごく増え、渋谷は若い人が居られなくなっている。
松岡:もふくちゃんのお仕事の拠点は秋葉原ですよね。渋谷の印象はいかがでしょうか。

もふくちゃん:私も東京出身なのでずっと渋谷を見てきていて、面白いことやってるなっていう印象だったんですけど、今はどちらかと言うと秋葉原と逆転してるなと思うところがあります。アイドルファンの低年齢化とかの影響とかもあると思うんですけど、秋葉原は10代の子とかがすごく増えていて、どんどん街が若返ってきてるんです。それに対して、渋谷の方はちょっとアダルティーな感じになっているかなと。クラブカルチャーへの規制や街の警備が厳しくなっていて、街がクリーンになってきていますよね。同時に若者のカルチャーが抑制されてしまって、若い人たちがそこに居られなくなっちゃってるように感じますね。
まつゆう*:私たちの時代は、「コギャル」とか、「チーマー」とかいましたよね。
西本:すごく盛んでしたね。
松岡:渋谷ヒカリエのオープンをきっかけに、また街が盛り上がるといいですよね。
まつゆう*:ラインナップを見ている限り、相当期待しています。



4月26日、渋谷駅東口に開業する「渋谷ヒカリエ」
松岡:さあ、いよいよ4月26日にオープンが予定されている『渋谷ヒカリエ』ですが、渋谷駅の東側にビルの外観がほぼできあがっているのはご存じですよね。
全員:はい。
松岡:渋谷ヒカリエの建物の構成を簡単にご紹介してまいりましょう。今モニターに建物の断面図が出ておりますが、建物は全体が34階建で、17階から34階が「オフィスフロア」になります。続く11階から16階に「東急シアターオーブ」があり、11階が「スカイロビー」になっています。その下の9階、10階が「ヒカリエホール」で、8階にクリエイティブスペース「8/」、6階、7階に「カフェ&ダイニング」、地下3階から5階までが「ShinQs」、こういったフロア構成になっています。
松岡:さっそく、気になるお店チェックをしていきたいと思います。フロアは、私たち誰もまだ入ったことないんですが、今回はこの中に入っているお店について詳しく知っている渋谷ヒカリエの関係者の皆さんが、脇に控えてくださっています。名付けまして、どこかで聞いたことがあると思うんですが、「教えて! わかる人」4人の皆さんです。
全員:(笑)。
教えて!分かる人(全員):よろしくお願いします。

「ジョエル・ロブション」で、パンを買って帰る自分に酔いそうな気がします。

ShinQs地下2、3階はフードフロア
松岡:では下のフロアから順番に見てまいりましょう。地下3階、地下2階は「ShinQs Food(シンクスフード)」です。
大谷(教えて!分かる人):シンクスフードは「ウェルネスビューティフード」というコンセプトで展開していて、有機野菜のデリやオーガニックのグロッサリーなどを扱うフードゾーン、国内外のトップパティシエが作るShinQs限定や、渋谷で採れた蜂蜜を使ったものなど、渋谷でしか買うことのできないお菓子が集まったスイーツゾーン、ワインとフードのマリアージュを提案するゾーンの3ポイントで構成しています。
松岡:パネリストの皆さんには、このフロアで気になるお店をピックアップしていただいています。それをひも解きながら、お話を伺っていきたいと思います。まず、気になるお店一つ目は「ル パン ドゥ ジョエル・ロブション」。
西本:普段だったら行けないジョエル・ロブションさんが手軽なパンを出す新業態ということで、女性はかなり興味があるんじゃないかと思いますね。
松岡:やっぱり渋谷に来なきゃできないこと、ここにしかないものというのは、施設に足を運ぶ動機付けになりますよね。
もふくちゃん:最近、どこにでもあるようなお店ばっかりが並ぶ街が多くなっちゃって「わざわざそこに行かなくてもいいじゃん」っていう気持ちになります。「世界初」「ここにしかない」と言われると、どうしてもそこに行かなくちゃいけない。渋谷にはそういう街になっていってほしいと思うので、すごくいいと思います。

渋谷ヒカリエ関係者「教えて!分かる人」4名が登壇
まつゆう*:このパンは、お持ち帰りは可能なんですか。
大谷(教えて!分かる人):ここはイートインではなく、テイクアウト専門です。
まつゆう*:なんか、ここでパンを買って帰る自分というのに酔いそうな気がします。
西本:「ジョエル・ロブションでパンを買っている!」みたいな。
松岡:ちょっとセレブな私、みたいな感じで。もふくちゃんは、秋葉原にいらっしゃると、そこでしかできないこと求めてくる人も多いですよね。
もふくちゃん:そうなんですよ。「このフィギュアはここでしか売っていない」とかそういう店ばかりで。世界中からいろんな方がやって来きます。そういう専門性が、今すごく大事なんだなと思うんです。
大谷(教えて!分かる人):ShinQs限定のパンもありますし、この店舗では無添加のビオパンを扱うと聞いておりますので、ぜひ楽しみに。
西本:楽しみです。
小腹が空いたと思ったときにスープだと免罪符というか、許される気がする。

冷凍スープ専門店「家で食べるスープストックトーキョー」
松岡:続いてのお店は「家で食べるSoup Stock Tokyo(スープストックトーキョー)」。Soup Stock Tokyoは都内にたくさんありますよね。
もふくちゃん:でも、「家で食べる」というのは初めて。
西本:そうかもしれない。
もふくちゃん:説明によれば冷凍されていて、冷凍食品で楽しめるんですよね。
大谷(教えて!分かる人):はい。
もふくちゃん:それはすごくないですか。
まつゆう*:よくテイクアウトでケースに入ってるやつじゃなくて?
もふくちゃん:あれじゃないの、冷凍してあるの。ほんとに家で食べる用。
松岡:すごい!
もふくちゃん:持ち帰りだと冷めちゃうじゃないですか。だから冷凍はいいぞって。私、冷凍好きなんですよ。
全員:(笑)
もふくちゃん:夜中とかにおなかが空くじゃないですか。小腹がと思ったときにスープだと免罪符というか、許される気がする。
まつゆう*:炭水化物じゃないから、まだね。

西本:野菜だしね。
もふくちゃん:たぶん大量買いすると思います。スープだとダイエットにもいいし。
まつゆう*:スープの中にパスタを入れちゃ駄目だよ。
もふくちゃん:駄目だよね(笑)。
松岡:これは全種類、冷凍で持って帰れるんですか。
大谷(教えて!分かる人):はい。50種類をストックしています。
まつゆう*:50種類だって。じゃあ季節限定のやつもここに行けば買えるみたいな。
大谷(教えて!分かる人):そうですね。
もふくちゃん:冷凍だと賞味期限を気にしなくていいのもあるし、便利そう。わざわざここに行って買うと思います。
渋谷でハチミツが作られてるって、今回初めて知りました。

桜丘町のビル屋上で養蜂に取り組む、佐藤勝さん
松岡:買って帰るという点では注目のお店がまだまだたくさんありますが、次のお店を見てみましょう。「カレルチャペック&渋谷みつばち」は、皆さん興味があるとおっしゃっていましたが…。
西本:渋谷産ハチミツというだけで、まず食べてみたいです。ハチミツは美容成分が強いので、興味ありますね。
松岡:まつゆう*さんは?
まつゆう*:「カレルチャペック」は昔から大ファンだったので。あと渋谷でハチミツが作られてるって、今回初めて知りました。
松岡:聞くところによると、渋谷のビル屋上にミツバチの巣箱を設置して、ハチたちが明治神宮や代々木公園から蜜を集めてくるそうですよ。
西本:すごい。
まつゆう*:いろんなところを旅してくるんだ。

もふくちゃん:私、質問があります。カレルチャペックと渋谷みつばちが、一体どうコラボレーションをしてるのかを聞きたいなと。
西本:確かに。
松岡:では、大谷さんお願いします。
大谷(教えて!分かる人):コラボレーションの経緯は、やはり「渋谷でしか買えない物を」という思いから、「渋谷みつばちプロジェクト」さんにご協力をいただきました。そこにイギリスの紅茶ブランド「カレルチャペック」さんに加わっていただいたのですが、実はイギリスではハチミツ発祥の街があって、昔からハチミツとの関係が深いのですね。そういった共通点で、カレルチャペックさんと一緒に渋谷のハチミツを使ったイギリス菓子と紅茶のお店を作ることにしたんです。
西本:楽しみ。
もふくちゃん:パッケージも気になりますよね。
まつゆう*:気になる。

渋谷ヒカリエから渋谷駅に直結する跨道橋。イメージは跨道橋を結ぶShinQs2階正面付近。