北回帰線に浮かぶ孤高の島 美しき熱帯・キューバに触れる

現在、TOKYO HIPSTERS CLUBでは、写真家の近藤彰利さんが革命後のキューバの実状を追った写真展『60年代のキューバ』が開催されている。また、プロモ・アルテ・ギャラリーでは、キューバの国民的画家、エドワルド・ロカによる「深遠の祈り」展、SUNDALAND CAFEではキューバンパーカッションのワークショップも行われている。オリバー・ストーン監督がカストロ議長を追ったドキュメンタリー映画『コマンダンテ』は、キューバの不朽の名作『低開発の記憶』とともに、ユーロスペースでの公開(6月頃)が予定されている。2009年にはキューバ革命から50周年を迎え、今年は革命の闘士、チェ・ゲバラの没後40年でもある。経済的には厳しくとも、キューバに暮らす人々の表情や生み出すカルチャーは、ラテンのリズムと同様に陽気で楽しげにさえ映る。美しき熱帯・キューバの熱気を感じるイベントは渋谷に集まっている。

革命後の世界を生きる、キューバの人々の熱気に触れる

Photographed by Kondo Akitoshi

タイトル: 近藤彰利 “60年代のキューバ”写真展
開催場所: TOKYO HIPSTERS CLUB
日時: 2007年3月16日〜2007年4月1日
12:00〜20:00(日・祝11:00〜19:00)
内容:

革命後の1963年に一ヶ月余の間キューバに渡り、キューバの人々と生活を共にした日本人カメラマン、近藤彰利さんによる初の個展。数々の貴重な写真を通して、当時のキューバの風景、人間らしく美しい人々の表情など、今まであまり知られる事のなかったキューバの姿を鮮明に伝える。「カストロ議長とチェ・ゲバラが対話している写真からも当時の熱気が伝わってきますが、それ以上に市井の人々が、理想の社会の実現に向かって明るく働いている様子が印象的です。」(TOKYO HIPSTERS CLUB/稲葉さん)

『近藤彰利 “60年代のキューバ”写真展』より

強烈なグルーヴを生む、キューバのアートと音楽に触れる

「夢」1997年 95x57.5cm

タイトル: エドワルド・ロカ(チョコ)「深遠の祈り」展
開催場所: プロモ・アルテ ギャラリー
日  時: 2007年3月7日〜
12:00〜19:00 (月曜休廊)
内  容:

「チョコ」の愛称で親しまれ、キューバを代表する版画家、エドワルド・ロカの深い信仰心と熟練された技術から生み出される作品は、観る者に強烈なインパクトと衝撃を与える。日常を取り巻くさまざまな出来事、宗教や混血文化、音楽、自然などを、ムラートス(キューバのマジョリティである、アフリカ系民族とヨーロッパ系民族の混血)としての視点から創り出す。1999年、高知国際版画トリエンナーレ展大賞を受賞。

タイトル: キューバンパーカッション ワークショップ
開催場所: SUNDALAND CAFE
日  時: 3月25日(日)16:30〜18:00
4月8日(日)17:00〜18:30
4月22日(日)17:00〜18:30
内  容:

本場のキューバ人講師より、ボンゴを中心に、多彩なキューバの鳴りものを初心者にもわかりやすく教えてもらう。「強力な高揚感を生み出すキューバ音楽の魅力は、様々な楽器が絡み合う独特のうねりです。パーカッションを始めるきっかけとしてはボンゴは最適です。」(SUNDALAND CAFE/佐藤さん)

映画で触れる、キューバ社会の背景と現在進行形
タイトル: 低開発の記憶
開催場所: ユーロスペース
日  時: 2007年6月頃公開予定
内  容:

貴重なドキュメンタリー映像などを織り込み、ピッグス湾事件からミサイル危機までの社会背景を映し出す。「ベニチオ・デル・トロやガエル・ガルシア・ベルナルが絶賛するこの映画は、キューバのみならず、ラテンアメリカでも不朽の名作として知られています。」(action/比嘉さん)

タイトル: コマンダンテ
開催場所: ユーロスペース
日  時: 2007年6月頃公開予定
内  容:

ハリウッド屈指の社会派監督オリバー・ストーン監督と“社会主義国唯一の成功者”カストロ議長との1対1の真剣勝負。ケネディ大統領暗殺やミサイル危機などから私生活に及ぶまで、包み隠さず曝け出し、COMANDANTE(司令官)であり続けるカストロ議長の本当の姿に迫るドキュメンタリー。

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