アニメ制作会社が支える アニメーションの饗宴

7月7日から公開されたアニメーション『Genius Party<ジーニアス・パーティ>』は、各界で活躍著しい7人のクリエーターを監督に迎えたオムニバス作品。そのハイクオリティなアニメの制作を手がけたのは、『アニマトリックス』『鉄コン筋クリート』などで世界を魅了してきたSTUDIO 4℃。日本でもトップクラスの作品を作り続けてきた制作会社だ。一方、社会現象を巻き起こした『新世紀エヴァンゲリオン』を制作したガイナックスによる『ヱヴァンゲリヲン 新劇場版:序』も9月に公開が予定されており、新たな旋風を巻き起こすことは間違いない。『パプリカ』『時をかける少女』のヒットも記憶に新しいマッドハウス制作の『ピアノの森』も話題を集めている。

海外からは、ディズニー/ピクサーの『レミーのおいしいレストラン』、ドリームワークス・アニメーションによる『シュレック3』が公開を控えており、新たな大ヒットを予感させる。また、スタジオジブリが配給に関わるアニメ『アズールとアスマール』が独特な色彩と描写力で高い評価を受けているように、大きな制作スタジオを持たないフランスでも『ルネッサンス』など、若手クリエーターによる意欲的な作品が作られている。多種多様なアニメが鑑賞できるこの時期、日本が先導し、世界が注目するアニメーションカルチャーを支える「アニメ制作会社」に注目するのも一興かもしれない。

 

©Genius Party

タイトル:
Genius Party ジーニアス・パーティ
上映場所:
シネ・アミューズ・イースト&ウエスト
上映期間:
2007年7月7日〜
監  督:
福島敦子、河森正治、木村真二、福山庸治、二村秀樹、湯浅政明、渡辺信一郎
出  演:
柳楽優弥、菊地凛子、栩原楽人、小倉久寛

「アニマトリックス」「マインド・ゲーム」そして、アニメ映画史上に残るスマッシュヒットを記録した「鉄コン筋クリート」。数々の名作を生み出しつづける STUDIO4℃の下に、日本のアニメーションが誇る7人の映像作家が集結した、プロジェクト名は「Genius Party」。世界が認めた7つの才能によって、ひとつのパーティ・ムービーがここに誕生する。

「個性豊かな映像作家による短編集なので、短い時間に各作家の世界観が濃厚に凝縮されており、脚本の巧さと表現の豊かさが目を惹きました。特に『夢みるキカイ』(湯浅監督)や『デスティック・フォー』(木村監督)は、奇妙な描画と豊かな想像力に強烈に引き込まれ、無駄のない短編ならではの完成度でした。本作では、”ジャパニメーション”のバリエーションの豊富さとクオリティの高さを窺い知ることができます。『幼児の豊かな想像力』をモティーフにした作品が続いたのが印象的。」(編集部)

映画『Genius Party』より「夢みるキカイ」

映画『Genius Party』より「BABY BLUE」

©カラー・GAINAX

タイトル:
ヱヴァンゲリヲン 新劇場版:序
上映場所:
アミューズCQN
上映期間:
2007年9月1日〜
監  督:
摩砂雪、鶴巻和哉
スタッフ:
原作・脚本・総監督:庵野秀明 キャラクターデザイン:貞本義行 メカニックデザイン:山下いくと 新作画コンテ:樋口真嗣、京田知己 制作:スタジオカラー
『新世紀エヴァンゲリオン』は、巨大な人型決戦兵器に乗る少年少女と謎の“使徒”の戦いを通じ、人の心、人と人の関係、そして人の成り立ちの根幹にまで迫りぬいた、人類史上最大スケールの物語。『エヴァンゲリヲン新劇場版』全四部作では、画面も物語も完全刷新し、デジタル時代にふさわしい最先端映像を得て超絶なスケールアップをはたし、大スクリーンに挑戦する。

「12年前に日本全土が熱狂し、社会に大きな衝撃を与えたエヴァンゲリオン。アニメというジャンルを飛び越え、”エヴァンゲリオン”という新たなカルチャーが生まれた瞬間でもあります。その一大カルチャーが『エヴァンゲリオン新劇場版』全四部作として、スクリーンに甦ります。”エヴァを超えることができるのはエヴァのみ”の名のもとに完成した本作は、リメイクでもリニューアルでもない、デジタル時代にふさわしい最先端映像を得た、新時代を開拓するための完全最新作だ!!」(日活/小沼さん)

映画『ヱヴァンゲリヲン 新劇場版:序』より

©2007一色まこと/「ピアノの森」製作委員会

タイトル:
ピアノの森
上映場所:
渋谷シネパレス1・2
上映期間:
2007年7月21日〜
監  督:
小島正幸
出  演:
上戸彩、神木隆之介、池脇千鶴、福田麻由子、宮迫博之
クラシックブームの中、人気の漫画『ピアノの森』が、ついにスクリーンに登場。アニメーション制作は、ヴェネチア国際映画祭に出品された『パプリカ』、昨年の日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞を受賞した『時をかける少女』などを手がけたマッドハウス。 世界的ピアニストウラディーミル・アシュケナージがミュージックアドバイザーとして参加、また自身劇中の主要なピアノシーンを演奏するなど、音楽面でも世界レベルのクオリティを目指している。

Shrek The Third ©2006 DreamWorks Animation LLC

タイトル:
シュレック3
上映場所:
アミューズCQN
上映期間:
2007年7月21日〜
監  督:
クリス・ミラー/ラマン・フイ
出  演:
マイク・マイヤーズ、エディ・マーフィー、キャメロン・ディアス、アントニオ・バンデラス、ルパート・エヴェレット、ジュリー・アンドュース、ジョン・クリース
『シュレック』ではアカデミー賞長編アニメーション賞を獲得、『シュレック2』では全米歴代興行収入3位、アニメーションの歴代興行収入1位を達成し、名実ともに、全世界No.1アニメーションの地位を不動のものとした『シュレック』シリーズ。3作目は、前2作にて脚本を務めたクリス・ミラーが長編アニメ監督初挑戦。製作は世界最高峰のエンタテインメント・クリエイティブ集団、ドリームワークスアニメーション。
タイトル:
レミーのおいしいレストラン
上映場所:
渋東シネタワー
上映期間:
2007年7月25日〜
監  督:
ブラッド・バード
出  演:
パットン・オズワルト、ルー・ロマーノ、イアン・ホルム、ジャニーン・ガロファロー、ブラッド・ギャレット
『モンスターズ・インク』、『ファインディング・ニモ』、そして『Mr.インクレディブル』など数々の名作を生み出してきたディズニー/ピクサーから、世界で最も《おいしい映画》が誕生した。舞台は、グルメの都・パリ。シェフを夢見るネズミのレミーと、料理の苦手な見習いシェフ、リングイニとの出会いから始まる《夢》と《奇蹟》のファンタジー。
タイトル:
アズールとアスマール
上映場所:
シネマ・アンジェリカ
上映期間:
2007年7月21日〜
監  督:
ミッシェル・オスロ
出  演:
香川照之(日本語版吹替・声の出演)
『キリクと魔女』のミッシェル・オスロ監督が、かつて栄華を極めた中世イスラムを舞台に、異文化の中で成長していく少年の姿をエキゾチックな色彩美で描く注目の最新作。フランス本国では2006年に公開され160万人を動員、フランス・アニメーション映画史上最大のヒットを記録した。

「ビョークの新曲『Earth Intruders』のミュージック・ビデオも手がけたオスロ監督の最新作。”神は細部に宿る”とばかりに描き込まれたきめ細やかな模様や、シルクなどイスラム文化を匂わせる素材の質感に圧倒されます。異文化との交流という真摯なテーマを、絢爛豪華な色彩とともにファンタジックに描いた本作に期待!」(編集部)

©ONYX FILMS MILLIMAGES LUXANIMATION TIMEFIRM LTD FRANCE 2 CINEMA MMV.

タイトル:
ルネッサンス
上映場所:
シネセゾン渋谷
上映期間:
2007年7月14日〜
監  督:
クリスチャン・ヴォルクマン
出  演:
ダニエル・クレイグ、キャサリン・マコーマック、ジョンサン・プライス
2054年のパリ。世界的規模で成長を続ける医療関連の複合企業体アヴァロン社の女性研究者イローナが、何者かに誘拐された。事件を追うカラス警部は捜査を進める中、事件の背景に人類の未来を左右する巨大な陰謀が隠されていることを知る・・・。ドラマチックな映画的エレメントを全て詰め込み、人類が体験したことのない圧倒的なビジュアルで描き出すSFアクション・フィルムノワール。

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