渋東シネタワーで公開中の『マイ・ブルーベリー・ナイツ』は、エリザベス(ノラ・ジョーンズ)が失恋をキッカケにニューヨークからラスベガスへと旅するロードムービー。映画の中には、一人旅ならではの様々な出会いがちりばめられる。そしてエリザベスは、旅先ではなく住み慣れた街の日常にこそ、「大切な存在」があったことに気がつき始める。
一方、恵比寿ガーデンシネマでは、『ダージリン急行』が公開中だ。こちらは父を亡くして以来、1年の間絶交していた3人兄弟が再会し、一緒にインド旅行へとでかける映画。環境も気持ちもバラバラだった兄弟が、異国での列車旅行を通して徐々に本来の絆を取り戻していく様子が、悪ふざけまじりで描かれている。
旅には、日常の喧騒に埋もれている輝きを気付かせてくれる役割がある。車窓からのぞく雄大な風景を楽しめるのも、ロードムービーならでは。忙しくて旅に出る余裕もない人にオススメである。つかの間のバカンスを味わいに、休日の渋谷に繰り出してみるのも悪くないのでは?
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失恋したエリザベスは何を求め、旅に出るのか? 恋人の心変わりで失恋したエリザベスは、彼の家の向かいにあるカフェに出入りするようになる。毎晩ブルーベリー・パイを残しておいてくれるオーナーのジェレミーと話すことで、自分を慰めようとするエリザベス。2人の距離が縮まってきたように思えたある日、エリザベスは突然ニューヨークから旅立つ。そして、半年後、ジェレミーの元に1枚のハガキが届く。「あなたのブルーベリー・パイは世界一おいしい」。 |
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『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』『ライフ・アクアティック』のウェス・アンダーソン監督待望の最新作。大人になりきれない3兄弟が“ダージリン急行”に乗って魅惑のインドを旅する、希望と再生のロードムービーだ。“家族とは何か?”というシリアスなテーマだが、決して重苦しく表現しないのがウェス・アンダーソンの奇才たる理由。ロマン・コッポラ、ジェイソン・シュワルツマンと共同執筆した脚本は、彼ら3人が実際にインドを旅したおかしな経験に基づいている。ウェス・アンダーソンは「日常のさまざまなことが、僕らが住んでいる世界とまったく違うんだ! それが脚本に反映されているよ」と語っている。 |