道玄坂の中腹に位置する飲食店街「百軒店」は、3月14日（土）から3月22日(日)まで、「第４回ひゃっけんだな祭り」を開催する。
百軒店は、1923年の関東大震災直後、復興にともなう渋谷開発計画によって、有名店・老舗を被災した下町から誘致したエリアである。下町の復興とともに当初の有名店は去っていったが、その跡地には飲食店や映画館などが次々と参入。現在の「百軒店」の姿へとつながる。
2003年から、地域活性化を目指して始まった同祭りは、メイン会場となる千代田稲荷神社を中心に、新たに百軒店全体を使ってのライブイベントを複数展開する。
学生による百軒店サポート集団「かくれまちプロジェクト」のボランティア活動によって、例年以上の盛り上がりが期待される今回。「かくれまちプロジェクト」の発足は、東京大学の「神社・神道研究会」のメンバーが、千代田稲荷神社にて神社めぐりをしている最中、偶然に百軒店商店会長と出会ったことがきっかけ。08年夏から、商店会との協力体制で本祭りへ向けての準備を始めて、中心メンバー6名に、複数の大学からスタッフが集まり、今回の祭りの企画・運営を行っている。
本文では、「第４回ひゃっけんだな祭り」での７イベントから、演劇、音楽ライブ、座談会の３イベントをそれぞれピックアップ。商店街と学生との連携によって見出された、百軒店の新しい魅力を探してみたい。
百軒店の街並み
「ポタライブ」とは、街を「劇場」にする演劇ジャンルのこと。劇作家・岸井大輔氏による造語である。作品単位で参加メンバーをつのりながら演劇活動を行っている岸井氏。代表作には『ゆかしのよこはま(街頭芸術横浜2001参加作品)』『谷中標本(art-link上野谷中2003招待参加)』などがある。今回の作品「百軒のミセ」は、「不況の最中、渋谷の真ん中にある百軒店では、たくさんの個人店が営まれてる」ことに触発された岸井氏が、「店」を「見世」＝「世界に自分を表現すること」と捉えて、イベント期間中の9日間、「百」作の演劇表現を、百軒店各所にて同時多発的に展開するものだ。 健全で素敵なマッサージダンスセラピー『るるる♪ダンシィンヘルスクリニック』や、百軒店の八の字コース約400メートルを駅伝形式で100周する『百軒店百周駅伝』 など、歩いているだけで楽しめる、個性的な「店」との出会いに期待したい。
千代田稲荷神社のお神輿(2008年の金王神社例祭より) ©かくれまちプロジェクト
■奉納ライブ 3月15日 13:00〜16:00 千代田稲荷神社にて
今回の祭りのオープニングイベントとして用意されているのが、千代田稲荷神社の境内に仮設の神楽殿を設置しての「奉納ライブ」である。用意されているのは、大木を運び出すときのかけ声・合図として唄われてきた作業歌「木遣り」の合唱や、大規模な合奏としては最古の伝統芸能といわれる「平安朝雅楽」の演奏など。商売繁盛の神として百軒店の移り変わりを見守ってきた千代田稲荷神社で、移り変わりの激しい渋谷と、歴史によって育まれた伝統芸能のコントラストを楽しみたい。
千代田稲荷神社
■まちづくり座談会「今こそ商店街がおもしろい！」 3月22日 16:00〜18:30 千代田稲荷神社にて
22日には、千代田稲荷神社にて、独自の魅力を発信する商店街「新宿ゴールデン街」から外波山文明氏と、「浅草」から富永照子氏を招き、「商店街の明日」を考える座談会が開催される。個人経営の小さなお店が集まる商店街は、そこに通うお客さんも含めて一つの文化。人と人とがつながって行くための大切な場所として、大型店に圧されつつある商店街の魅力を語る。
外波山文明…新宿ゴールデン街商業組合組合長。劇団「椿組」を主宰する役者・演出家・プロデューサーであり、ゴールデン街でバー「クラクラ」を経営。
富永照子…浅草おかみさん会理事長。浅草サンバカーニバルや浅草ニューオリンズジャズフェスティバル等の仕掛け人。浅草すしや通りで手打ちそば「十和田」を経営。
コメンテーター： 久田邦明…首都圏の複数の大学で講義を担当。専門は青少年教育・地域文化論。全国の様々な地域社会とその活動を見て回り、各地の商店街の現状に詳しい。
- タイトル：
- 第4回ひゃっけんだな祭り
- 開催場所：
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渋谷百軒店商店街、千代田稲荷境内・社務所広間、
百軒店児童遊園 - 開催期間：
- 2009年3月14日（土）〜22日（日）
- 主 催：
- 百軒店商店会
- 企画制作：
- 渋谷百軒店かくれまちプロジェクト
- 入場料 ：
- 無料（一部協賛イベントを除く）
- お問合せ：
- 商店会事務局 03-3461-9330
「第４回ひゃっけんだな祭り」を明日に控えた百軒店入り口（2009.03.13）
