レコメンド 今週、編集室が推薦するカルチャー

青山劇場を中心にした青山通り沿い一帯で、カナダ、フランス、イスラエル、フィンランド、韓国、日本など世界11カ国から18のカンパニー、120名以上を超えるダンサー・演出家が集まり、公演やワークショップ、トークイベントなどを繰り広げる日本最大のダンスの祭典「ダンストリエンナーレ トーキョー 2009」が、いよいよ9月19日からスタートします。渋谷文化プロジェクトでも、コンテンポラリーダンスの魅力を多方面から紹介する特集企画「コンポラLOVE もっとコンテンポラリーダンスが好きになる!」を掲載。今回のリコメンドでは、同特集のスピンオフ企画「コンポラ 第4ステップ」として、特集では伝えきれない多彩なイベントを紹介します。ダンスフィルムの上映、ダンサーによるトークイベント、劇場外でのダンスパフォーマンスなど、ダンスが青山有数のカルチャースペースを席巻します。

コンポラをもっと楽しむ「映像でみるダンスの歴史」

タイトル
ダンス・フィルム・ヴァリエーション
施 設 名
シアター・イメージフォーラム
開催期間
2009年9月19日〜2009年10月8日
上映時間
21:00
上映作品
『テーブルの音楽』(監督・音楽:ティエリー・ドゥ・メイ、振付:アンヌ=テレサ・ドゥ・ケースマイケル/1999年)、『部屋』(監督・振付:ジョエル・ブーヴィエ、レジ・オバディア/1987年)、『ル・ダンスール』(監督:モーリス・ベジャール、出演:ジョルジュ・ドン/1968年)、『Umwelt』(出演:カンパニー・マギー・マラン/2004年)ほか、多数
詳  細
ダンス・フィルム・ヴァリエーション公式サイト(イメージフォーラム内)

シアターイメージフォーラム

『部屋』監督・振付:ジョエル・ブーヴィエ/©D.R./La Cinemateque de la Dans


青山劇場の斜め向かいで、芸術性の高い作品やアヴァンギャルドな映像の古典など、独自のラインアップを展開するミニシアター「シアター・イメージフォーラム」では、日本初のダンス映像フェスティバル「ダンス・フィルム・ヴァリエーション」を開催します。
映像との連動パフォーマンスの様子を伝えるフィルムや、映像表現としてのダンス作品など、20世紀のモダンダンス以降の歴史を網羅する12プログラムで構成。モダンダンスの原型ともいえるイサドラ・ダンカンから、その始祖マーサ・グレアム、1920年代のパリを席巻したジョセフィン・ベーカー、伝説的なフラメンコダンサー、カルメン・アマヤ、タップダンスの天才、ビル・ボージャングル・ロビ ンソンなど、ポップカルチャーに燦然と輝くダンサーたちを紹介します。

■施設からの声: シアター・イメージフォーラム劇場担当の山下宏洋さん
ダンス公演自体を見るのにちょっと躊躇してしまっている方にもおすすめの入 門的な内容でありながら、ダンス好きな人にも見たことが自慢できる貴重な映像が満載です。ダンストリエンナーレ開催期間中、毎晩夜9時からの上映ですので ダンス公演を見終わったお客さんも是非いらしてください。

コンポラをもっと楽しむ「ショーケース・ダンスを路面から観賞」

タイトル
ダンス・ショウケース
施 設 名
スパイラル
開催期間
2009年9月19日〜2009年10月4日
参加作家
森下真樹(9/19)
エーヴァ・ムイル(9/20)
ヤスミン・ゴデール(9/21)
ミシェル・ノワレ(9/22)
鈴木ユキオ(9/23)
BATIK(9/24)
エステル・サラモン(9/25)
フランク・ミケレッティ、キム・ヒジン(9/26)
タルダンス・カンパニー(10/2)
シークレット(10/3)
中村恩恵(10/4)
詳  細
ダンス・ショーケース公式サイト(スパイラル内)

スパイラル

エーヴァ・ムイルさん公演風景 photo: Johanna Tirronen


青山通りを表参道に向う途中の複合文化施設スパイラルでは、公演会場となるスパイラルホールのほかに、1階エントランス横のショウケースで、フェスティバル参加アーティストが日替わりで登場してパフォーマンスを披露します。
通りに面したガラス張りの会場には、森下真樹さんをはじめ、1980年フィンランド生まれのダンサーで、同地の若者にはスター的人気を誇るというエーヴァ・ムイルさん、エルサレムに生まれ育ち、11歳のときにNYに移住したダンサーで、さまざまなフェスティバルに出演するヤスミン・ゴデールさんなど、12組のアーティスト/カンパニーが連日交代で登場。路上で参加できるイベントとしてトリエンナーレを盛り上げます。

■施設からの声: スパイラル パフォーミング・アーツ担当プロデューサー 宮久保真紀さん
ダンスを気軽に間近で見られる絶好のチャンスです。
ショッピングやアート鑑賞、ランチやディナーなど、様々な目的で青山にいらしたみなさんに、この素敵なハプニングを楽しんでいただき、ダンス公演に足を運んでいただくきっかけになれば、と考えています。

コンポラをもっと楽しむ「参加アーティストと触れ合う」

タイトル
「青春狂時代」&アーティストトーク
施 設 名
青山ブックセンター本店
開催日時
ヤスミン・ゴデール(9/19)
黒田育世×古川日出男(9/20)
シンポジウム「ダンスと批評」(10/3)
コンドルズ企画「青春狂時代」(10/4)
詳  細
トークイベント公式サイト(青山ブックセンター内)

青山ブックセンター

コンドルズ


円形劇場のすぐ隣に位置する青山ブックセンター本店では、男性のみのメンバーが集まって学ラン姿でダンス・映像・コントなどを展開する舞台で人気のダンカンパニー「コンドルズ」の複合イベント「青春狂時代」を連動企画。
10月4日には、近藤良平さんと池谷裕二さんによるアーティストトークのほか、藤田善宏さんと山本光二郎さんによるダンスワークショップ「コンドルズの A B C テクニック」(13:00〜15:00/16s:00〜17:30)、小林顕作さんによる絵本のよみきかせ「けんちゃんと 絵本であそぼう!」(15:10〜15:50)などが展開されるほか、トリエンナーレ出演アーティストを招き、生の声を伝えるトークイベントも開催。アーティストと直接触れ合える場を展開します。

■施設からの声: 青山ブックセンター販売促進部 須藤夕香さん
今世界でもっとも注目されているイスラエルの振付家ヤスミン・ゴデールの記録映像上映をまじえたトーク(9月19日18:00〜)、黒田育世と作家・古川日出男の身体をめぐる対談(9月20日13:00〜)、日本と韓国を代表する振付家・山田せつ子と金福喜をゲストに迎えた「創り手」対「批評家」のシンポジウム(10月3日18:00〜)、コンドルズ主宰・近藤良平と『単純な脳、複雑な「私」』が大好評の薬学博士・池谷裕二との異色対談(10月4日19:00〜)など、注目イベントが目白押しです。


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