SHIBUYA BUNKA BOOKMARK

東急ハンズ渋谷店

豊富な色彩を感じる場所

切手のデザインが好きで、よく郵便局で記念切手などをチェックするという黒田さん。
豊富な品揃えにはクリエーターの支持も厚く、海外の人からの評判も高い東急ハンズ渋谷店。
会場にはイラストの蝶を切り抜いて起こした立体作品なども展示されている。

イラストレーター・黒田潔さんのbookmarkは「東急ハンズ渋谷店」
昨年11月のオープン以来、現代美術やグラフィックを中心とした東京のクリエイティブシーンを発信しているギャラリー「NANZUKA UNDERGROUND」。そこで現在、個展を開催し、イラストレーターとして雑誌や広告など様々な分野で活躍している黒田潔さんのbookmarkは、「東急ハンズ渋谷店」。「よく仕事で使う画材を買いに行きますが、時間があるときはついでに日用品のコーナーなどを覗くようにしています。普通のスーパーでは取り扱っていない海外の商品などがたくさん置いてあり、凝ったパッケージのデザインや、日本にはあまりない色使いなどは見ていて飽きない。自分の作品ではほとんど色を使わないが、この色を使ってみたらどうなるかなどと考えると刺激になる」と、お気に入りの理由を語る。今回の個展でも、展示されている絵はほとんどが黒一色で構成されているほか、会場には「塗り絵」をテーマにした作品集も販売されており、黒一色の世界にどのように色を付けるのかを想像させられる。「黒だけとはいえ、塗り重ねたインクやマジック、スプレーなど、一枚の絵の中にもニュアンスの違う黒を使っている。パソコンの出力とは違う原画ならではの微妙な色の質感を楽しんでもらえたら」と黒田さん。多くのクリエーターが「必要不可欠な場所」と口を揃える東急ハンズは、仕事の道具を提供するだけでなく、想像力もかき立ててくれているようだ。

東急ハンズ 渋谷店
渋谷区宇田川町12-18
TEL.03-5489-5111
営業時間:10:00〜20:30(※12/23までは〜21:00)

INFORMATION

黒田さんの個展『DISCOLOR』は、白いキャンバスに描かれた黒一色の線画が目を惹くように構成されており、「腐食」や「変色」を意味するタイトル通り、これまで一貫してモチーフに描いてきた昆虫や動植物の生と死を意識させた作品が並ぶ。「例えば花がきれいに咲いている瞬間だけでなく、枯れていく過程やつぼみの時にも強く惹かれるポイントがあり、リアルな造形を線で追うときに、そういう部分をクローズアップして描いている」というように、見た目の美しさと同時に、自然が生まれながらにして持つ「毒」や「鋭さ」といった部分を強調するような作品が多い。会場では、初の作品集『Uncolored.1』(弓立社刊)が先行発売されているほか、ビクトリノックス社とコラボレートしたマルチツールやトートバッグも販売されている(写真右)。会期中には、黒田さんが「モチーフの捉え方やアクの強さが自分と似ている」という切り絵作家の福井利佐さんや、資生堂アートディレクターの成田久さんとのトークショーも開催され、作品の制作意図やお互いの作風などについての対談が行われた。展示は12月29日まで。

(2006年12月22日)

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