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「おうちクリスマス」に向け、渋谷発のクリスマスソングを無料提供中

毎年年末が近づくと渋谷の街はクリスマスイルミで輝き、各商業施設で様々なイベントが催され、とても賑やかな季節を迎える。ところが今年のクリスマスは例年とは異なる。コロナの収束の気配が一向に見えずイルミネーションは規模縮小、イベントも自粛する企業が多く、例年と比べるとやや寂しいクリスマスとなりそうだ。

外出を控えた「おうちクリスマス」が主流となる中、渋谷在住のシンガーソングライター横沢ローラさんが、「おうちクリスマスを素敵に過ごしてほしい」という想いから、渋谷発のクリスマスミニアルバム「Shibuya Christmas carols(シブヤクリスマスキャロル)」(全5曲)とクリスマスカード(全5種類)の無料提供を開始。さらに曲ごとの物語の世界観に合わせ、横沢さん自らが描いた5種類のオリジナルクリスマスカード(クリスマスソングがダウンロードできるQRコード付き)も作成し、ハチ公前広場の観光案内所「SHIBU HACHI BOX」や渋谷キャストのカフェ「オーレ」、キャットストリートのカフェ「CHOP COFFEE(チョップコーヒー)」などで無料配布を始めた。

>渋谷発クリスマスミニアルバム「Shibuya Christmas Carols」特設サイト

▲ハチ公前広場にある「SHIBUHACHI BOX」でクリスマスカードを配布している。

横沢はボストンのバークリー音楽大学でJAZZ、R&B、ゴスペルを学んだ後、2011年に帰国。その後、シンガー・ソングライターとしてソロ活動する傍ら、2017年にピアニスト工藤拓人さんとのユニット「オノマトペル」を結成し、宮澤賢治の童話や民話、日本各地に伝わる伝承文化や祭りなどから感化、触発されて音楽づくりを行い、全国各地でライブ活動を続ける。もともと西東京市出身の横沢さんですが、2018年からは渋谷・キャットストリート沿いの複合施設「渋谷キャスト」13階にある共同コミュニティー「Cift(シフト)」で、クリエーターたちと交流しながら暮らす。
▲横沢さんが暮らす「渋谷キャスト」。今回、渋谷発のクリスマスソングは「渋谷キャスト」の協力を得て実現したという。

今回、渋谷発クリスマスソングを制作するきっかけは、今年のハロウィーンに渋谷キャストで予定していたイベントが「コロナ」で中止になったこと。「みんなに会えないなら、会わなくても共有できるメッセージみたいなものが遅れないか」と思い立ったという。「アメリカに住んでいた時に『クリスマス・スピリット』という言葉を知った。自分ができることをちょっとシェアして、そのシェアが広まることで、クリスマスシーズンに皆がちょっとずつ幸せになるというもの。コロナでライブ活動ができないなら、絵を描いて曲を作って皆にプレゼントしよう。手渡しできなくても、LINEなどで曲をシェアすればいい」とクリスマスソングのシェアギフトを決心する。

本格的な曲作りを開始するにあたり、横沢さんは「たった3年しか渋谷を知らない自分の思い」ではなく、渋谷に深く関わる人びとの思いや本音を聞くためインタビュー取材を始める。自らが共同生活をするCiftの住人たちをはじめ、渋谷区議、再開発工事に関わる人、ショップスタッフ、昔から渋谷で暮らす商店街の人びとなど、約20人にも上った。インタビューの中で目立ったキーワードが「ホーム」だった。「故郷、家という意味だけではなく、ホームベース、ホームステージ、ホーム・アンド・アウェーのホームだったり、駅のプラットホームだったり…。渋谷を大切な居場所としての『ホーム』と捉える人が多かった」という。

そこで「ホーム」をはじめ、渋谷の人びとから寄せられた言葉やニュアンスを散りばめながら、「渋谷」を舞台にした5つの物語を紡いだのが、今回リリースした5曲のクリスマスソングだ。
▲左=「小さなトロルのクリスマス」をイメージしたクリスマスカード 右=「Home for Christmas」

1曲目は「小さなトロルのクリスマス」。物語は妖精とトロルが賑やかな渋谷に憧れを持ってやって来るところから始まる。ひきこもりのトロル、気合を入れて着飾ってきた妖精の2人は、渋谷の人びとと仲間になりたいと思っているが、いざ来てみるとやっぱり怖い。でも接してみると、意外に一人ひとりは優しいことが分かり、自分が思い込んでいたことに気が付く……。

2曲目は「Home for Christmas」。ひとりぼっちのクリスマスを歌った一曲。恋人と別れた2人、遠距離で離ればなれなど……。誰かと会えないクリスマスだけど、キャンドルを灯してあなたの幸せを祈る……。

▲「Welcoma to Scramble Land」をイメージしたクリスマスカード

3曲目は「Welcome to Scramble Land」。スクランブル交差点、ハロウィーン、渋谷の喧噪……など、おもちゃ箱をひっくりかえしたような、渋谷のゴチャゴチャ感を表現した愉快で楽しい一曲。渋谷のカオスさが曲調からもうかがえる。
▲左=「Floating Home」をイメージしたクリスマスカード 右=「Homeward Bound」

4曲目は「Floating Home」。横沢さんが暮らす共同コミュニティー「Cift」は、渋谷キャストの13階。渋谷のど真ん中、バブルのようにゆらゆらと揺れるフローティングホームで、「地に足が付いていない暮らし」をしているけど、でも夢とはつながっている。みんな共有できる何かとつながって生きている。そんな渋谷らしい居場所を歌った一曲となっている。

最後の5曲目は「Homeward Bound」。多拠点、アドレスホッパーなど、渋谷以外にもホームと呼べる「拠点」を持ちながら暮らす人びとを歌った一曲。自分のホームがいくつかあってもいい、どっちも家で、どちらへ帰る時も愛しい。5拍子で始まる同曲は、2でも3でも割り切れないが、最後は6拍子で終わるという。そんな心の動きも音楽で表現している。

コーラスは渋谷キャストに隣接する渋谷教育学園渋谷中学高等学校の「渋渋合唱部」、アカペラは渋谷を拠点に活動する男女混声のアカペラグループ「Nagie Lane(ナギーレーン)」が参加するなど、「オール渋谷」による渋谷発のクリスマスソングが完成。総製作期間は4カ月間、ボランティアを含めて総勢100人を超える人びとの協力を得てリリースにこぎ着けたという。

今年は渋谷に集まらず、「おうちクリスマス」。渋谷発のクリスマスソングを大切な人へシェアして、幸せのお裾分けをしてみてはいかがでしょうか。

クリスマスソングのダウンロードは特設サイトFrom

Editorial department · Fuji Itakashi

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