「マルキュウ」はギャルのリアルな感覚が凝縮され、等身大のオピニオンリーダーが渋谷ファッションを発信し続けている
静岡市出身。1999年東京農工大工学部物理システム工学科入学。大学在学中、BLEA高等部の講師アルバイトとして勤務。2003年より専門部教務責任者、2006年より大学部教務責任者を兼任。主にカリキュラムの企画を担当する。
今年で開校10周年を迎え、今や「渋谷のギャルの学校」として認知度がすっかりと高まったBLEA(Business Life Education Academy)。ファッションやネイルアート、ヘアメイクなどが学べる学校で、高等部・専門部・大学部に加え、2009年には中等部も開校しました。従来の学校教育にとらわれないカリキュラムを通して、渋谷109のショップ店員をはじめ、ファッション業界を中心に数多くの人材を輩出し続けるBLEA。その理念や教育内容、また生徒と向き合う中で感じることなどを、専門部・大学部の教務責任者を務める澤野聡亮さんに伺いました。
--どのような理念で開校されたのでしょうか。
BLEAを知っている方ですと、高校のイメージが強いと思いますが、2000年に最初に開校したのは専門部です。今年でちょうど10周年ですね。当時は、カリスマ店員が流行っていた時代で、スチュワーデスや医者になる学校があるのなら、ショップ店員になる学校があっても良いのではという発想で、ボクの大学時代の先輩が設立しました。翌年、同じくファッションを学べる高等部が開校し、当時大学生だった僕は、高校生に数学や英語のレポートを教える講師としてアルバイトをさせてもらい、2003年に正式に入社しました。その2年後に4年制の大学部が開校。そして2009年には、中学3年生の女子を対象とする中等部が開校しました。BLEAの生徒の中には元気が良過ぎるというか、一般の学校にはなじめない子もいます。おしゃれには興味があるけど、学校に行かなくなってしまった中学生でも、フリースクールという形でファッションを学んで欲しいと考えたんです。もともと、マルキュウ(渋谷109)で働きたがっている女の子を対象に専門部を開校しましたので、現在のように中等部や大学をつくる考えはありませんでした。しかしいざ始めてみると予想以上に共感してくれる女の子が多くて、ここまで拡大してきました。BLEAとは別に、2005年にUBI大学部、2009年にUBI専門部という学校も設立しています。BLEAは女子校ですが、UBIは共学。もともとギャルには『egg』や『Popteen』といった雑誌が人気でしたが、次第に『men'segg』など「ギャル男」向けの雑誌も伸びてきて、そういう男の子がファッションを学べる学校をつくりたいと考えたことがきっかけ。あえてBLEAとは別の学校にしたのは、「女子校」ということに意味を感じているからですね。現在、BLEAには250人、UBIも含めると350人ほどの生徒が通っています。
--具体的な教育の内容を教えてください。
ファッションやネイル、ヘアメイクなどが中心ですが、2010年には専門部に雑誌モデルコースを新設しました。学べる内容を広げているのは、渋谷という街がどんどん変わっていくように、学校も変わる必要があると考えているから。今の若い子たちは、毎日何時間も携帯を眺め、わからないことがあればすぐに検索して調べる。昔はモノを知っているかどうかと勉強の出来は比例していた部分もあったと思いますが、今はかなり変わりましたよね。意味のわからない言葉があれば、検索すればいいのですから。日々、そんな膨大な情報量を処理する彼女たちに対し、学校の先生が固く構えて「授業に出席しなさい」と言っても通じにくくなっています。だったら飽きられないように、常に生徒が通いたくなるような授業に進化させる努力をする必要があると考えています。
--どのような志望を持つ生徒が多いですか。
フェスティバルに向けてドレスづくりに励む学生
マルキュウで働きたいという生徒がすごく多いですね。そこで、実際にマルキュウのショップで使われている接客マニュアルをベースにしたテキストを使い、ショップ店長を講師に招くなどして、お辞儀の角度から敬語の使い方、接客のポイントなど店員に求められることを実践的に指導します。ファッション販売能力検定やファッションビジネス能力検定、色彩検定といった資格取得にも力を入れています。実際のところ、マルキュウのショップでは高校生でもバイトをしていますから、必ずしも資格は必要ではありませんが、卒業生を見ると、資格を取った子は20歳で店長になったり、22歳でエリアマネージャーになったり、成長していきますね。言葉遣い一つとっても違いますし、しっかりと勉強したという自信も本人の力になるようです。マルキュウは、そのような一定の倫理観を持つ若い女の子が支えていくべき場所だと思っていますので、卒業生が活躍しているのを見ると嬉しいですね。現在ではマルキュウのショップで店長クラスを務める卒業生がたくさんいて、卒業生が在校生を面接することも増えています。
--マルキュウはどのような場所だと考えていますか。
アミューズメントパーク的な場所であり、ギャルと呼ばれる若い女性の生活がリアルに表れている場所だと感じています。抽象的な言い方ですが、インスピレーションや感覚が詰まった玉手箱といったイメージですね。渋谷で生まれたファッションがこの場所を拠点にして、読者モデルなどギャルと等身大のオピニオンリーダーを通して発信され続けていると思います。そんな華やかな一面がある一方で、店員として働くには体力も必要ですし、地道な努力も必要。生徒にはよくそのような話しをして、きちんと現実を知ったうえでチャレンジしてもらうようにしています。
--学校が渋谷にある意義は?
ギャルといえば、もう渋谷以外には考えられないと思っています。例えば、高田馬場でギャルのメイクを勉強して、放課後に街を歩いても渋谷に比べてプラスになるものがあるかどうか…。家賃は高いですけど、渋谷に校舎を構える意味は大きいですね。おしゃれな人が多い渋谷の街を歩くこと自体が学びになりますし、マルキュウなどでバイトもしやすい。またボランティア活動として学校の周りを掃除すれば、大好きな渋谷が綺麗になるからやる気も出る。例えばgreen bird(グリーンバード)というゴミ拾いのボランティア団体には、うちの生徒も積極的に参加させてもらっています。ゴミを拾うことで、自分も捨てなくなる効果もあるようですね。渋谷は、彼女たちにとっての遊び場ですから、学生生活を楽しんでもらうという意味でも、今後も渋谷を拠点にする考えです。
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