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命綱を付けてビル屋上で落書き消し!
「ゼロに戻すアート」に取り組む Clean&Artの活動に密着

「うゎー!すごくきれい!」

「印象が変わったー!」

2018年11月25日、大規模開発が進む渋谷駅から程近い並木橋のふもとで、小池酒店のビルを見上げながら感嘆の声をあげる人々の姿がありました。

この人々は街中の落書き消しを通して地域の環境美化問題に取り組んでいる、環境団体Clean&Artの皆さんです。

団体の代表を務めるのはアーティストの傍嶋 賢(そばじま けん)さん。東京芸術大学で壁画を学んだという壁画制作のプロフェッショナルです。団体はこれまで、代官山の落書き消しやシール剥がしをボランティアで行うクリーン活動や、渋谷区の新しい帰宅困難者対策「シブヤ・アロープロジェクト」の事業としてJR山手線高架下の宮下公園原宿側壁面の落書きを消し、壁画を制作するといった活動を行っています。

この日もクリーン活動の一環として、小池酒店のビル屋上で落書きを消す活動が行われました。

▲作業前の一枚

当日は約10名のメンバーが集結。傍嶋さん指導の下、屋上中に点在する落書きを手分けして消していきます。

ひと口に「落書きを消す」といってもやり方は様々。専用液で塗料を落としたり、上からペンキで塗りつぶしたりなど、描かれた場所や使用された塗料によって消し方を調整します。

▲専用液と参加メンバーが持参した道具の合わせ技でどんどん落ちていきます。

▲落書きのあった外壁を削り落としてから、ペンキで塗装

中には落ちにくい落書きもあり、消し方を試行錯誤することもあります。そんな場面では「ペンキで対応したほうが良さそうだね」といったアドバイスや「向こうの落書きはこのやり方で良く消えたよ」という助言など、メンバー同士のコミュニケーションも活発になります。

▲専用液を添付後サランラップで覆い、液の効果アップを狙う。

今回は足場のない危険な場所に描かれた落書きもあり、命綱をつけての作業もありました。

▲7階にある屋上の柵を乗り越えての作業

▲ほうきから作った即席道具

▲足場の幅がほとんどない場所で、命綱を持っての作業

どんなに大変な作業があっても、作業中の雰囲気はとても和やかです。
参加者からは「徐々にきれいになっていくのが嬉しくて、気が付くと作業に没頭している」、「きれいに消えた後は達成感がある」「みんなで話しながら作業するのが楽しい」といった意見がきかれ、メンバーが楽しみながら参加している事が伺えました。

▲小学生も頑張って消しています。

作業開始から数時間経つと、落書きの数も徐々に少なくなってきました。

そして日もだいぶ傾いた頃、ついにすべての落書きを消し終わり終了となりました。

落書き消しにも参加したビルオーナーの小池さんは、「駅周辺の再開発に伴いこの辺りの注目度も上がったので落書きの事はすごく気になっていたけれど半ばあきらめていたので、今日こんなにきれいになってとても感動しました」と感謝しきりでした。

長時間の作業を経てもなお終始笑顔が絶えないClean&Artのみなさん。作業前後には持参したアウトドア用品でつくったコーヒーや、お菓子をふるまうメンバーもいて、それぞれがコミュニティを大切にしていることが伝わってきます。こんな思いやりが雰囲気の良さにつながっているのでしょう。

▲作業を終えてコーヒータイム

傍嶋さんは落書き消しを「ゼロに戻すアート」と表現します。
冒頭の光景は、“ゼロの美”をまとった屋上を地上から見上げた時のこと。笑顔と共にもれ出るメンバーの言葉からは達成感や充実感が伝わってきました。

心も動かすClean&Artの活動。この団体そして活動そのものがアートだと感じました。

Clean&Artの皆さんは問います。
「渋谷の落書き問題を皆さんはどう思いますか? 個人の所有物に望んでいない絵が描かれることは心地よいことですか?」と――。

福田晶子(代官山ひまわり)

代官山を拠点に活動するNPO法人「代官山ひまわり」。所属するママさんライターが渋谷情報をお届けします。

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