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【レポート】日本を発信する30秒CMコンテスト募集−「どうビックリさせるかがポイント」

<イベント概要>
my Japan Award 2015 キックオフイベント
〇開催:2015年5月26日(火)19:00〜21:00 

〇会場:渋谷ヒカリエ8階「8/」COURT
〇出演:中島信也さん(東北新社)伊藤直樹さん(PARTY)
〇進行:河尻亨一さん(銀河ライター)

渋谷ヒカリエで26日、若手クリエーターが日本の魅力を再発見し、クリエイティブの力で世界へ発信するCMコンテスト「my Japan Award 2015」のキックオフイベントが開催。今年のテーマ「Local Culture〜世界がビックリする、日本のローカルな文化〜」が発表され、ゲストクリエーターらが映像制作のポイントを語った。

今年で6年目を迎えるmy Japan Awardは、学生部門(小〜大学院生対象)とU-29部門(29歳以下の社会人が対象)に分かれ、30秒間の映像制作を競うCMコンテスト。中島信也さん(東北新社)、伊藤直樹さん(PARTY)、河尻亨一さん(銀河ライター)らクリエイティブ業界で活躍する8人が審査員を務め、各部門のグランプリを決める。

キックオフイベントでは、代表の束忻海さんが今年のテーマ「Local Culture〜世界がビックリする、日本のローカルな文化〜」の選定理由を説明するとともに、河尻さんの進行のもとに中島さん、伊藤さんとテーマについて語り合った。中島さんは、愛媛県を例に挙げ、「愛媛県は実はすごい。キウイの生産量が日本一だったり、寿司は金沢並みにうまいけど、知らない人が多い。面白いことはあるけど、日本人はシャイだから発信していない」とし、知ってもらう重要性とローカルの可能性を熱く説いた。さらに「最近はビックリすることは少ないけど、ビックリさせるように見せることはできる。クリエイティブが痩せてきているなかで、ヤングには驚きを見つけることを頑張って欲しい」とエールを送った。

伊藤さんは「海外の人を日本でガイドする機会が多い。いまどこが人気かといったら新宿のロボットレストラン。『こんなものは世界にない』と驚く」と、外国人の視点を紹介。また外国人は、富士山は富士駅を降りたらすぐに登れると思っている知識レベルだとし、「外国人にとって、日本はフジヤマ、ゲイシャ程度の理解。まだまだ日本は未知の国。どうビックリさせるかがポイント」と指摘し、河尻さんが「“世界”と“ビックリ”、“日本”、“ローカル”が大切な要素。そのなかでもビックリが一番重要かな」とポイントをまとめた。

映像制作については、頭にある制作のルールを一旦忘れて制作方法から編み出してほしいとの意見が飛び出し、例えばニュースなど違う分野からアイデアを取り入れるのも有効だとした。さらに受賞作品の傾向としては、「ぶっ壊れているけど、もう1回見たいというものがある。審査員は表面的じゃなく、魂や思いまで見ているので変にまとめないでほしい」(伊藤さん)、「広告としての上手い下手は関係ない。次の世代だなというのがくる」(中島さん)、「派手じゃなくて地味でもいいものは自分が拾っている」(河尻さん)とそれぞれの着眼点を展開し、幅広く作品を選出していることを紹介した。
併せて、昨年から始まったCreative Summer Camp『東北×クリエイター in 2015』も紹介。トップクリエイターが合宿形式で映像制作を指導し、若手クリエイター(29歳以下)と「地域」をつなぐ新しい取り組み。中島さんは、「エントリー作品のテーマが見つけづらい人は、サマーキャンプに参加するのもいい」と呼びかけた。

会場からは「良いアイデアの出し方を教えて下さい」という本質的な質問が寄せられ、中島さんが「誰もが考えることから1歩抜けることが大事」だと強調。伊藤さんは「隣の人も考えるであろうアイデアは捨てる。チームで作る場合はみんなが良いという作品を出品することが重要だ」と付け加えた。同アワードに投稿予定の中学2年生の女子生徒は「携帯電話で全部やっているので画質が悪くなることがある。どうしたらよいか」と悩みを相談した。中島さんは「結局は自分がどう感じるかだから、いろいろやってみたらいい。やりかたにルールはない。プロだって試行錯誤。自分の目で作品を見て判断してほしい。大人の目は気にしないでいい」とアドバイスした。

CM作品のエントリーは10月4日まで。大賞発表は12月6日、渋谷ヒカリエで開催予定。

<募集要項>
myJapan Award 2015
〇応募資格:
 学生部門(大学生、大学院生、高校生、中学生、小学生が対象)
 U-29部門(29歳以下の社会人が対象)
〇提出作品:30秒CM
〇出展料金:無料
〇エントリー:10月4日(日)まで
〇作品投稿 :10月11日(日)まで
〇結果発表 :12月6日(日)開催予定
〇申込詳細:http://my-jpn.com/award/

Creative Summer Camp『東北×クリエイター in 2015』
宮城県石巻、福島県会津、山形県赤湯を舞台に3人1組で1泊2日の視察、2泊3日の撮影・編集を実施する夏の制作キャンププログラム。
〇応募資格:29才以下
〇参加方法:3人1組(1人での応募も可)
〇参加料金:学生45,000円、社会人55,000円
 ※交通費・宿泊費込み
〇申込期限:2015年6月21日(日)まで
〇申込詳細:http://my-jpn.com/csc/

重野マコト

社会部記者として新聞社に入社後、イベントプランナー、コンテンツディレクター、飲食店経営を経て、現在はフリーライター。インタビューやイベントレポートなどの現場取材をメインに活動する。

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