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「人生スイッチ」〜輝ける瞬間の大きすぎる代償〜

アルゼンチンで動員数400万人以上という史上最大のヒットを記録した悲劇&喜劇映画「人生スイッチ」が7月25日より、渋谷シネマライズで公開が始まった。

製作は「オール・アバウト・マイ・マザー」でアカデミー賞外国語映画賞とカンヌ国際映画祭監督賞に輝いた巨匠ペドロ・アルモドバル。アルゼンチンで注目されていたダミアン・ジフロン監督の過去作を見てその才能に惚れ込み、プロデューサーに名乗りを上げた。ジフロン監督は1975年ブエノスアイレス生まれ。テレビ番組の脚本・監督などで人気を博し、2003年に映画「The Bottom of the Sea」を初監督。以降、TVシリーズの人気と合わせて映画でも国内外で評価を博している。

ダリオ・グランディネッティやエリカ・リバスなど、アルゼンチンの大スターや演技派俳優が他数登場する同作。作中ではボロ車と新車との運転手同士の攻防戦、いつどこに駐車してもレッカーされ続ける男の反撃戦、結婚式で新郎の浮気相手を発見した花嫁の復讐劇など、「感情に身を任せた人々の暴走」がオムニバススタイルで6つのストーリーが展開していく。

テーマは、怒りの衝動を最後まで突き進めたらどうなるのかー。もしムカつく相手を罵倒したら、言い返されたら、そんな時鈍器が目に入ったら、相手が殴り返してきたら…。これまで大切に積み上げてきた人生が簡単に崩れ落ちていくエピソードの数々は、悲劇を超えた喜劇として、見るものの笑いを誘う。
(C)2014Kramer & Sigman Films / El Deseo

そして同作の見どころは、怒り狂った中年や花嫁や金持ち男たちが崩壊へと突進む死闘の中に、青春映画のようなキラキラとした生命の輝きが宿る瞬間。自分を突き通そうと踏ん張る姿が眩しくて、ふと自分は何のために感情を抑圧しているのか、自分がそうやって守ろうとしているものは何か、そんな疑問が頭をよぎる。

腹が立って腹が立って震える、そんな経験に心当たりのある人も多いのでは?しかし仕事を続けたければ、逮捕されたくなければ、喧嘩したくても出来ない時もある。ほとんどの場合怒りの感情は押し殺し、なんとか時間をやり過ごすのが世の常というものなのだ。人生を堕ちていく人々を見て笑いながらも心が揺れる、不思議な嫉妬心が芽生える同作。あくまでこれは映画なのだということを、あなたも忘れないで欲しい。

映画「人生スイッチ」
〇公開:2015年7月25日〜
〇劇場:シネマライズ ほか
〇監督:ダミアン・ジフロン
〇出演:ダリオ・グランディネッティ、フリエタ・ジルベルベルグ、
リタ・コルテセ、レオナルド・スバラーリャほか
○公式:http://jinseiswitch.gaga.ne.jp/

画像クレジット/ 配給:ギャガ(C)2014Kramer & Sigman Films / El Deseo

編集部・横田

1980年生まれ、神奈川県在住。大学進学を期に上京して以来渋谷はカルチャーの聖地です。現在は渋谷文化プロジェクト編集部に所属しながら、介護士として働くニ足のわらじ生活です。

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