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東京五輪で沸いた「1964年の渋谷の街」をVRで再現 当時の写真を募集中!

東京五輪年である「1964年の渋谷の街並み」を3Dで再現する「1964 SHIBUYA VR」プロジェクトが開始。現在、同プロジェクトを運営する「一般社団法人 1964 TOKYO」は、街の3D化を目指すため、1964年前後の「渋谷の街」が写っている写真を所有する企業や個人に向け、当時の写真の提供協力を求める活動をスタートさせた。

発起人は、日本テレビの土屋敏男さんと、ライゾマティクス代表の齋藤精一さんの2人。「進め! 電波少年」など、人気番組を手掛けてきた土屋さんと、Perfume(パフューム)のライブ演出など、最先端のテクノロジーを駆使した作品を数々生み出してきたクリエイター集団をけん引する齋藤さんのタッグは、その組み合わせを聞くだけで、私たちの期待感を大いに膨らませる。
1964年のオリンピック開催に合わせて改修され、"かまぼこ屋根"のある4面4線の旧渋谷駅が誕生した。
「一般社団法人1964 TOKYO」は、過去の古い写真や画像から、最新の3D技術「フォトグラメトリー」という手法を用いて、「東京の昔の街並み」をVR(バーチャル・リアリティ)で再現していくプロジェクトを推進するために設立。その第一弾として今回、「渋谷」を拠点とした「1964 SHBUYA VR」プロジェクトが立ち上がった。渋谷を選定した理由は「(渋谷は)エネルギーの集まる街であること、さらに100年に一度の再開発で、2020年までに駅周辺に高層ビルが建つなど、世界から注目を浴びている街であるため」(土屋さん)とし、「前回オリンピックのあった1964年当時の街を再現し、現在と比較したら面白いのでは」と期待を込める。
左からライゾマティクス代表・齋藤精一さん、長谷部健区長、萩本欽一さん、東急電鉄代表・野本弘文さん、日本テレビ・土屋敏男さん
10月25日、渋谷ヒカリエで開催された記者会見には、特別賛助会員の萩本欽一さんや、東急電鉄・野本弘文社長、長谷部健区長も駆けつけ、同プロジェクトの成功に向けて力強いエールを送った。
東急文化会館を中心に渋谷駅東口エリアを3Dモデリングした画像
プロジェクト開始に先立ち、東急電鉄と渋谷区の協力を得て、計800枚以上の当時の街の写真や航空写真を収集。東急文化会館(現・渋谷ヒカリエ)のある渋谷駅東口・宮益坂周辺で撮影された複数写真をもとに、3Dモデリングの制作をトライアルしたところ、上記画像のように「1964年前後の渋谷の街並み」が見事に3Dモデルイメージとして浮かび上がった。上記で使用している写真は12、13枚程度。会場では360度回転させるデモストレーションも行われたが、写真が後方に回ると、鮮明であった3D写真はドロドロと溶けたように解像度が一気にダウン。
写真データの少ないエリアは、解像度が不鮮明で建物がドロドロに見える
齋藤さんは「東急さんからご提供いただいた写真は、東急本社から宮益坂方面を撮影したものが多く、宮益坂上から駅方面を撮影した写真がほとんどない。そのため、写真データの不足から後方に回るとどうしても不鮮明になる。今後、解像度を上げていくには、もっと多視点で撮影した写真が必要」と3D化に向けた課題を挙げ、「押入れに眠っている写真など、個人が持っている当時の写真を広く募集していきたい」と一般に向けて写真の提供を呼び掛ける。
写真募集を専用ウェブサイト(http://1964tokyo-vr.org)から行っている
現在、同プロジェクトでは「みんなで作るタイムマシン」をコンセプトに掲げ、1964年から前後約10年間に個人が撮影した渋谷の写真を、専用ウェブサイトから募集している。写真はスキャンした上で、撮影場所、年代、思い出などの情報と一緒に投稿フォームからアップロード。またウェブ投稿のほか、郵便でも受付可。協力者の名前(ニックネーム可)は、専用ウェブサイトにクレジットされる。

「渋谷VR」作品は随時ウェブなどにアップしていくほか、2020年までに東京全体をVR化し、その後、東京以外の地域や世界にも活動を広げていきたいという。

11月4日・5日に代々木公園で開催される「くみん広場 ふるさと渋谷フェスティバル2017」では、写真収集を行うブースも出展。写真を会場に持っていけば、その場でスタッフが次々にスキャンしてくれるという。昔の渋谷の街の写真を持つ方は、「1964 SHIBUYA VR」プロジェクトに参加してみてはいかがだろうか。

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