渋谷文化プロジェクト

写像球体を持つ手（Hand with Reflecting Sphere）

現実ではありえない不思議な世界を描き、「トロンプ・ルイユ（だまし絵）」で後世に影響を与えた美術界の異端児・M.C.エッシャー（1898-1972）。

風景や動植物、建築デザインや幾何学的な図形まで緻密に計算し、卓越した版画技法で築き上げたその不条理な空間と描写は、古典的でありながら現代的でもあり、今日でも決して色あせることはありません。中世のだまし絵やシュルレアリスムとも一線を画したその特異な画面構成は、数学的・哲学的な要素も垣間見られ、心理学や文学など他の学術分野からも関心を集め、人間の感性や創造力の無限な可能性を再認識させる影響を与えました。

今展では、2008年にM.C.エッシャー財団が選出した代表的な11枚の版画、5枚のスケッチの複製プリント「M.C. Escher 16 Facsimile Prints」を展覧販売いたします。 当時のオリジナルプリントはオークションでも高値で落札され入手困難である現在、クオリティはそのままに手頃な価格で普及を目的とした今回の複製プリントは、オリジナル作品との差別化を明確にするため、サイズは110%と一回り拡大して制作、完成度にこだわった見応えのある作品です。また、その他にもエッシャーの関連グッズなども併せて販売する予定です。

一歩足を踏み入れると、そこは無限に広がる緻密に計算された不条理な世界。エッシャーが創り出す異端の迷宮を堪能してください。