SHIBUYA BUNKA SPECIAL

パワーだけではない、奥深いインドアスポーツの魅力

北京オリンピックの有望選手の中でも、強さと美貌を兼ね備えた存在としてひときわ人気を集めているのが卓球の福原愛選手、そしてバドミントンの小椋久美子選手と潮田玲子選手による“オグシオ”ペア。彼女たちの活躍を見て、自分でも卓球やバドミントンにチャレンジしてみようかと考える人も多いかもしれない。意外にも渋谷には、そうしたインドアスポーツを楽しむための室内競技のサークルがあちこちに点在。若者中心なイメージのあるストリートスポーツとはまたひと味違い、老若男女を問わない人たちが汗を流している。ここではそうした知られざる「隠れ家」施設を紹介するとともに、渋谷を拠点に36年にわたって活動してきた老舗バドミントンクラブ「渋谷バードクラブ」の神崎会長に、インドアスポーツの魅力を聞いた。

1. 渋谷でスポーツを楽しむ”シブスポ”特集

2. 渋谷発WEBラジオで、スポーツの魅力を伝えたい

3. ストリートで生まれるスポーツの原点

4. パワーだけではない、奥深いインドアスポーツの魅力

渋谷を拠点に36年。老舗バドミントンクラブから見た「渋谷とスポーツ」

世代や経験を超えて、多くのバドミントン愛好家が集まる

今や渋谷にも多くのバドミントンのクラブや愛好会が誕生し、区内の様々な施設で毎日のようにどこかのチームが活動を行っています。その中でも私たち渋谷バードクラブは”老舗”の部類に位置づけられるクラブとなります。立ち上げられたのは1972年のこと。以来、勤労福祉会館を拠点に36年にわたる歴史を積み重ねてきました。

現在のメンバーは約70名。20代から70代までの幅広い世代が在籍しています。場所柄、外国の会員も多く、今はドイツ、カンボジア、マレーシアといった国の方々が仲間に加わっています。競技レベルも個々によってさまざまで、社会人になってバドミントンを始めた初心者から、区大会で優勝するような強豪までが揃っています。バドミントンを愛する多くの人たちが広く集まっている点は、当クラブの特徴の1つですね。

渋谷とのかかわりも、個人によってまちまちです。区内在住とか、オフィスが渋谷にあるという人だけが参加対象というわけではなく、渋谷によく買いものに来るから参加したなんて人もいるんですよ。渋谷という街は何かとアクセスが便利ですし、そもそも勤労福祉会館は渋谷駅から徒歩圏内の好立地にありますので、いろんな人が集まってきやすいんだと思います。立地的に多くの人たちのライフスタイルに応えられる条件が揃っていることが、当クラブがここまで長く続いたひとつの要因になっていると思っています。

バドミントンの魅力はチェスや将棋にも通じる

バドミントンといえば、北京オリンピックにも出場する小椋久美子選手と潮田玲子選手の”オグシオ”を思い出す人が多いはずです。彼女たちのおかげでバドミントンに興味を持ってくれる人は、私の身の回りでも格段に増えた実感があります。現状ではテレビで見たりするだけという人がきっと多いと思いますが、これが競技人口のさらなる拡大にまで発展すればいいなとは思っています。

振り返れば、私がバドミントンを始めた20数年前は、まだまだマイナー感があったスポーツでした。次第に協会などがジュニア育成に力を入れることで、最近ではオグシオのような世界で勝負できる選手が誕生するとともに、バドミントンの裾野も徐々に広がってきたように感じます。といっても、バドミントンはまだまだメジャーではなく、“これから”のスポーツ。もっとバドミントンが広がっていくためにも、その面白さをもっと多くの人に体感していただきたいですね。

バドミントンの魅力は、チェスや将棋に通じるものがあると私は思います。世界トップクラスになれば最高時速350kmの猛スピードでシャトルが飛び交うのですが、単に力ばかりで押し切るわけではないんです。相手の動きの何手も先を読みながら、強弱を織り交ぜつつ、テクニックで相手を翻弄していくのがバドミントンの真髄です。その意味では私たちのようなベテランでも、パワーあふれる若い選手と対等に渡り合える可能性が十分にあるのです。年齢にかかわらずゲームをとことん満喫できるのが、バドミントンという競技の醍醐味。ぜひ多くの人にチャレンジしてほしいですね。

神崎 晃さん

渋谷バードクラブ会長。岡山県出身で、学生時代よりバドミントンを始める。上京後、渋谷のバドミントンのプロショップ「ウエンブレー」より『渋谷バードクラブ』を紹介されて、参加。仕事や家庭と両立しつつ今年でクラブ歴は通算26年目となる。

静かに盛り上がるインドアスポーツの輪

バドミントン

スポーツでは最もスピードの速い競技
難易度:★★★★☆
興奮度:★★★☆☆
参加人数:1人から

オグシオ人気で一躍注目を集めるバドミントン。子供の頃にバドミントンをして遊んだという人は結構多いと思いますが、競技として本格的にプレーをしたことがある人はそう多くないのでは。トッププレーヤーになるとシャトル(羽根)の初速は時速350kmに達し、生身の人間が行うスポーツでは最もスピードの速い競技。シャトルの落下点を予測しながら、コートを縦横無尽に走らなければならず、見た目以上に運動量も多い。とはいえ、体力に自信のない方や、未経験の方でも心配はご無用。渋谷・勤労福祉会館では、都内在住・在勤の中小企業で働く人を対象に毎年5月〜8月の3ヶ月間集中で、「バドミントン教室」を開催している。まずは、こうしたビギナー同士が集まるコースに参加し、グリップの握り、基本の打ち方やルールを勉強してみてはいかがだろうか。教室終了後、さらなる上達を望む場合は、地域サークルの門を叩いてみるのも良い。今回取材した「渋谷バードクラブ」では、「基礎があって、やる気のある人なら誰でも歓迎」とのこと。

練習場所:
渋谷・勤労福祉会館
参加条件:
ラケット、体育館シューズ、動きやすい服装
参加費:
■バドミントン教室(全12回)(毎年5月〜8月に開催) 無料
■渋谷バードクラブ(SBC)(木曜日17時半〜21時)/ビジター(1回800円)
お問合せ:
バドミントン教室 TEL.03-3462-2511(勤労福祉会館)
渋谷バードクラブ TEL.03-3485-0978(渋谷区バドミントン協会)

フリークライミング

腕力だけでなく、バランス力が大切
難易度:★★★★★
興奮度:★★★☆☆
参加人数:1人から

命綱を付けて岩肌を登るフリークライミングは、腕力だけでなく、バランス力が大切。体の柔軟性を生かせば、男性だけでなく子供や女性でも難所をクリアすることもあります。渋谷にあるアウトドアショップ「モンベル」では、吹き抜け3階の天井までの巨大な人口岩肌が切り立っており、都会の一角でフリークライミングを楽しむことができる。「夏休みの期間は特に子どもたちに人気で、お父さんが一緒になってチャレンジする姿もみられます」(モンベル・広報さん)モンベル渋谷店では、登る前も、登っている間も、インストラクターが丁寧に説明してくれるそうなので、子連れの方でも安心だ。そのほかにも、「1度登ってみたかった」大勢の方がこの施設を利用している。誰かが登り始めると、自然とギャラリーが増えるとのことだから、まずは見学から始めてみるのもいいいだろう。

「モンベル クライミング体験」の利用方法

開催場所:
モンベルクラブ 渋谷店
参加条件:
身長110cm以上。動きやすい服装。スカートはNG
参加費:
大人700円(1TRY)・小学生以下500円(1TRY)
お問合せ:
TEL 03-5784-4005(モンベルクラブ 渋谷店)

スポーツチャンバラ

チャンバラごっこのように、誰もが延び延びと自分流の戦い方を
難易度:★☆☆☆☆
興奮度:★★★★☆
参加人数:1人から

© 護心館田渕道場

スポーツチャンバラの基本は、小さい頃に広場や運動場で遊んだ「チャンバラごっこ」。中に空気を入れた柔らかい剣「エアーソフト剣」を使うことで、大人から子どもまで安全に楽しめる「スポーツ」として広まった。ルールにも細かい規約はなく、「見事な一撃」を先に決めた方が勝敗を制する、シンプルかつ実戦的なもの。「誰もが自由に延び延びと自分流の戦い方を」とは、田渕道場でスポーツチャンバラ指導員を務める田渕さん。渋谷駅から徒歩3分の護心館田渕道場では、20代から60代までのサラリーマン男性が、仕事帰りにスポチャンを楽しんでいる。週末の道場には子どもも集まる他、「独創性が培われ、イザという時、実際に自分の技が使えるので護身に極めて有効」だそうで、女性やシニアの方々にもおすすめとのことだ。田渕道場では、他にも「小太刀居合」という、真剣を使って藁などを試し切りできる講習会も行っている。

「護心館田渕道場 スポーツチャンバラの練習」利用方法

場所:
護心館 田渕道場
時間:
スポーツチャンバラ 火・水 18:30〜20:30/土 13:30〜16:30
小太刀居合 木 18:30〜20:30
参加条件:
ズボンなどの動きやすい服装。タオル、軍手
参加費:
入会金 5,000円
スポチャン会員 月謝 8,000円
居合体験 1回 2,000円(スポチャン会員は1回1,000円)
お問合せ:
TEL 03-3406-3665 護心館田渕道場

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