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渋谷キャストに「東急ストア フードステーション」出店、スーパー不毛地帯の「買い物難民」を救う!

4月28日、渋谷駅から明治通り沿いに原宿方面に向かう途中、キャットストリートの入口あたりに新しい複合施設「渋谷キャスト(SHIBUYA CAST.)」がオープンした。
ちょうど「PINK DRAGON(ピンクドラゴン)」と隣接するあたりだ。「都営宮下町アパート」跡地の開発プロジェクトである同施設は、都有地の有効活用と、周辺のまちづくりの起爆剤としての役割を期待されている。
「渋谷キャスト」フロア構成 画像提供:渋谷宮下町リアルティ(株)

まず、地上16階建ての渋谷キャストのフロア概要を説明しましょう。GF〜2Fの低層部に「小売店・飲食店」やco-labを核とする「シェアオフィス」、3F〜12F にベイクルーズなどの「オフィス」、13Fに居住者同士のコミュニティづくりを実験的に行う「コレクティブハウス」、14Fに短中期滞在のビジネスパーソンやクリエーター向けの「サービスアパートメント」、15・16Fに1R〜3LDKの「賃貸住宅」で構成され、単なる商業ビルでもオフィスビルでもない、「働く」と「暮らす」を兼ね備えたユニークな施設となる。

*「渋谷キャスト」の詳しい概要は「再開発特集記事」にまとめていますので、ご覧ください。

新しく開業する渋谷キャストの中で、今回注目したいのは、明治通り側の広場と直結する「東急ストア フードステーション渋谷キャスト店 」だ。「フードステーション」は、コンビニサイズの限られた店舗面積の中で、コンビニと同様のサービスと、生鮮食料品の販売などスーパーの特徴も兼ね備える東急ストアの「都市型小型スーパー」。大倉山、中延、西小山、用賀に続き、今回の渋谷キャスト店が同業態の5店舗目となる。
かつて東急プラザ地下1階に「マル鮮渋谷市場」があった。
実は渋谷駅周辺は、スーパーマーケットの不毛地帯である。特に2015年3月、東急プラザ渋谷」と共に地下1階「マル鮮渋谷市場」が閉店し、「日用食品を今後どこで買えば良いのか?」と一気に「買い物難民」と陥った渋谷住人も少なくないことだろう。渋谷周辺の大型スーパーを調べてみると、明治通り沿い東1丁目に「ライフ」、恵比寿に「ピーコックストア」、千駄ヶ谷、初台に「オーケー」と周辺エリアには点在しているものの、渋谷駅周辺や渋谷・原宿間に大型スーパーは存在しない。都心の一等地である同エリアで大型店舗を建てるための用地を確保することは、決して容易でない。そう考えると、コンビニと同程度の売場面積で展開できる「小型スーパー」は、スーパー側もリスクが少なく、比較的に出店がしやすい業態といえるだろう。事実、「都市型小型スーパー」は首都圏で急増しており、渋谷圏内でもイオングループが展開する「まいばすけっと」は神泉駅前と神宮2丁目、「マルエツ プチ」は円山町に店舗を構えるなど、大型スーパーの商圏から抜け落ちたエリアをカバーしている。

ちなみに「渋谷キャスト」の半径500メートル周辺には、3,352世帯(人口6,083人)の住民たちが暮らしている。今回の「東急ストアフードステーション 渋谷キャスト店」のオープンに伴い、大型、小型を含めて「スーパー不毛地帯」であった渋谷・原宿間の「買い物難民」の救済に少なからず寄与するのではないだろうか。また同エリアは地域居住者だけではなく、渋谷キャストのオフィス就業者や、明治通り、キャットストリート沿いのオフィスやショップ就業者、さらに渋谷と原宿間を行き来する観光客や買物客など、大きくは3つのターゲット層の利用が想定される。ストア側もこうした客層を想定し、195平方メートルの限られたスペースながら、ターゲットに合わせた売場作りに余念がない。次に具体的な売場づくりやマーチャンダイジングを見ていこう。
まず、地域に住む人びとに対しては、日々の生活を支えるトマトやほうれん草など常時15〜20種類の野菜、刺身や切り身、干物、漬魚等の水産物、牛や豚、鳥の精肉などの生鮮食品や調味料、日用品などを求めやすい価格で提供。
価格帯や品揃えも、デパ地下のような「非日常」的な食材というよりは、普段使いの日用食品を中心に取り揃えられている点も見逃せない。
オフィス就業者には、日替わり、週替わりなど、ショートサイクルで種類豊富なお弁当や惣菜、約30種類の焼き立ての調理パンや菓子パン、100円コーヒーを提供。また、持ち運びやすい容器、女性に合わせた分量の「ランチBOX」や、健康や美容を意識した有機小松菜やパクチーを使用したサラダ、スムージー、野菜ジュースなど、OL向けのランチ需用に応えるコーナーも充実。
さらに観光などの来街者には、手持ちで食べ歩きができる商品を取り揃えている。から揚げやポテトなどをカップに入れた「カップデリ」、おやつ感覚で食べられるカップ入りの「プチパン」、フルーツの果肉を贅沢に使った「リッチ果実バー」、フルーツたっぷりの「カップアイス」など、ストア前の広場でお客さんに食べてもらうことも想定し、ワンハンドで手軽につまめるフードの展開が目立った。
中でも品揃えで目を見張ったのは、「ミネラルウォーター」コーナーだ。ボルヴィックやエビアン、クリスタルカイザーなど定番のほか、ハワイウォーター(ハワイ)、グレイシャルウォーター(ノルウェー)、アイランドチル(フィジー)、ソランデカブラス(スペイン)など、世界各地のミネラルウォーターが約10種類揃う。
さらに、売場面積に占める「ワイン・酒類」コーナーの割合も大きい。特にシャンパンは冷蔵庫で飲み頃をキープ。酒類関連コーナーとして生ハムやチーズ、オードブル類などのおつまみ類も充実し、オフィスでのパーティ需用や地域居住者のニーズに応える。ストア関係者によれば、「ビジネスや観光利用の外国人が多いこと。またトレンドに敏感でミネラルウォーターやワインにこだわりを持つ人が多いのでは」と地域特性を見込んでいるという。

そのほか、平日は就業者の昼間人口が多く、週末は観光・買物客が増えるなどの地域性を踏まえ、「日中と夕刻」「平日と週末」など、利用者の生活シーンやニーズに合わせて、時間や曜日で売場の展開を変化していくという。大型スーパーとは異なり、品揃えという点ではどうしても見劣りがするが、ターゲットを明確化したマーチャンダイジングのもと、スピーディーかつフレキシブルに対応していくことで、「小型スーパー」ならではの強みを活かせそうだ。いずれにせよ、周辺で暮らす地域住民にとっては、買い物の利便性がグッとアップする朗報と言えるだろう。

東急ストア フードステーション渋谷キャスト店
〇住所:渋谷区渋谷一丁目23番21号 渋谷キャスト
〇開業:2017年4月28日(金)
〇営業:7:00〜23:00
〇売場:195平方メートル
〇駐車:79台(共用)

編集部・フジイ

渋谷の記録係。渋谷のカルチャー情報のほか、旬のニュースや話題、日々感じる事を書き綴っていきます。

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