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渋谷駅周辺の再開発工事で「青ガエル」が「ハチ公」のふるさとへ移設

東京五輪後に本格化する渋谷駅等の解体工事に向け、「忠犬ハチ公像」や「青ガエル(旧5000系)」の移設場所がどうなるのだろうか。気になっている人もきっと多いに違いない。

2月9日、秋田県大館市で開かれた記者発表によれば、渋谷区が所有する「青ガエル(旧5000系)」は、今年6月上旬に秋田県大館市へ移設を行うことが決まった。

▲「復元された旧5000系車両」撮影年:1993年、提供:東急株式会社、撮影者:阿部龍浩

2006年に渋谷駅ハチ公前広場に設置された「青ガエル」は、1954年(昭和29年)から1986年(昭和61年)まで運用していた東急東横線の鉄道車両。緑の塗装と丸みを帯びたボディから「青ガエル」の愛称で親しまれる。
▲現在、車内は観光客向けの観光案内や待ち合わせスポットとして活用されている。

2006年に東急電鉄が運用終了後に保存していた車両を渋谷区が譲り受け、渋谷駅前のモニュメントとして設置。その後、渋谷区観光協会が運営する「青ガエル観光案内所」として活用してきた。

▲ハチ公像も設置されている大館市観光交流施設「秋田犬の里」

移設先として決まった大館市は秋田犬発祥の地で、忠犬ハチ公のふるさと。「ハチ公」との縁から昨年(2019年)5月、JR大館駅近くに大館市観光交流施設「秋田犬の里」をオープンし、秋田犬のことを学べる秋田犬ミュージアムや秋田犬と触れ合える展示室、秋田犬関連グッズ・お土産販売などを行うスポットを設けた。また、施設の建物は、忠犬ハチ公が飼い主を待ち続けた大正時代の渋谷駅をモデルに造ったほか、建物前には若かりし頃のハチをモデルした「ハチ公像」も設置している。

現在、渋谷駅ハチ公広場では「忠犬ハチ公像」と「青ガエル」は隣接し設置されているが、大館でも同じく若かりし頃のハチとの対面が実現する。ちなみに施設後は、車両内に渋谷と大館の歴史変遷を展示しながら、座席シートを施設来場者の休憩場所として開放していくという。

2020年5月下旬〜6月上旬ごろに渋谷駅ハチ公前広場から搬出・運搬・移転作業実施し、2020年7月ごろに大館市観光交流施設「秋田犬の里」の芝生広場・南側に設置され、供用が開始される予定。

さて、「青ガエル」の移設後には、「忠犬ハチ公像」の行方も気になるところだ。渋谷のシンボルであるハチ公像は、他のエリアで移動することはないと思うが、再開発事業終了まで渋谷駅周辺のどこか一時的に移されることは十分に考えられる。今後、ハチ公像の動きからも目が離せなくなりそうだ。

編集部・フジイタカシ

渋谷の記録係。渋谷のカルチャー情報のほか、旬のニュースや話題、日々感じる事を書き綴っていきます。

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