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「渋谷のんべい横丁」の存続に向け、クラウドファンディングによる支援始まる

緊急事態宣言に伴う外出自粛要請で、臨時休業を行う店舗が多い。資本のある大企業ならまだしも小さな飲食店などは、日々の売上で生計を立てているところも多く、まさに死活問題である。

こうした中で、渋谷駅にほど近い飲み屋街「のんべい横丁」は現在、各店舗の経営存続に向けてクラウドファンディングによる支援活動を始めた。

戦後、道玄坂付近のヤミ市を発祥とし、1950(昭和25)年に抽選応募で当選した40店舗(現在39軒が営業を続ける)の飲食店が同エリアに移動し、現在の「のんべい横丁」が生れた。今年でちょうど70年を迎える同横丁は、渋谷を代表する飲み屋街として知られる。駅周辺の大規模開発で高層ビルが立ち並ぶ中、古き良き昭和ロマンの香りを残すのんべい横丁は、守るべき「渋谷遺産」の一つといえるだろう。昨今では年配の方のみならず、横丁文化に憧れる若者や外国人観光客の姿も増え、世代を超えたリアルなコミュニティーの場として賑わいを見せている。

ところが新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、4月に入ってかなりの店舗が自主的に臨時休業を実施。8日に役員会を開き、その翌日から横丁全体で休業を行っている。カウンター席のみで、店主は対面、お客さん同士も肩を寄せ合うスタイルの横丁は、まさに「3密」を作りやすい環境。5月6日以降も状況によって、自粛休業を続ける可能性もあるという。「店主も、常連さんも高齢の方が多いため、その家族まで考えると、事態が沈静化を迎えるまでは開店が難しい」と渉外・広報担当、御厨浩一郎さん。

昭和、平成、令和まで、存続の危機を何度も乗り越えてきた同エリアであるが、先の見えない今回のコロナショックによるダメージは大きい。高齢化する店主ではなすすべがなく、またインターネットなどのデジタル弱者も多く、組合でクラウドファンディングの説明をするのも苦労あったというが、「少しでも各店舗の助けになるのであれば」という思いから若手店主らを中心に相談を進め、オンラインでの支援活動を始めた。

支援に対するリターンとして、支援金2,000円=横丁応援団オリジナルステッカー、3,000円=Stay home de 横丁セット(オリジナルロゴ入り檜枡+花の舞横丁オリジナルミニボトル)、5,000円=横丁オリジナルTシャツ、10,000円=のんべい横丁パーフェクトセット(横丁オリジナルTシャツ+横丁全店舗ロゴ入り手ぬぐい+横丁オリジナルロゴ入り枡)、15,000円=横丁に "My 提灯" を灯そう( 名前入り提灯を横丁に2カ月間飾る)、30,000円=永遠にその名を刻もう(金属銘板に「横丁の支援者」として永遠に名前が刻まれる)と、支援金額により様々なアイテムを用意。さらに100,000円の高額支援者には、「横丁一夜のバーテンダー」としてお店のカウンターに立ち、1日限りのバーテンダーになれるという権利も。

クラウドファンディング「キャンプファイヤー」のホームページによれば、目標金額400万円に対して、28日の昼12時現在、支援者数は127人、1,402,333円の支援が寄せられている。支援者の声の中には「通勤地が変わってから随分とご無沙汰しちゃったけど、コロナ終わったら、いっぱい飲みに行きます」「横丁は20代の頃から行き始めて、育ててもらった大切な場所です」「金欠学生時代に大変お世話になりました。思い出の場所がなくなりませんように」「いつでも帰れる場所がないとみんな困ります!頑張ってください!」など、多くの応援メッセージが寄せられているという。集まった支援金は、リターンにかかる諸経費を除き、各店舗に均等分配するそうだ。

御厨さんは「小さなお店が39軒、日々が回転してこその横丁。開店×回転が出来ない現在、頑張る気持ちは強いけれども、あっという間に経済的な打撃を受けてしまう。お客さんと一緒に日々を歩いてきた横丁がまたお客さんとともに普通の日常を送れるように、応援の輪を広げていただければ」と支援を呼びかける。

新型コロナウイルスの影響は今後1、2年続くと言われている。企業はネットにおけるリモートワークを進めるなど、これを機に日本社会の構造そのものが大きく変化していくことだろう。その一方、横丁文化など、酒場におけるリアルなコミュニケーションが失われるのはとても寂しいことだ。横丁で働く高齢の店主にとっては、毎日お店に立つことで健康維持に繋げていた人もきっと多いことだろう。長引く休業で孤独やストレスを抱え、体調を崩さないかも心配である。コロナ収束後、横丁がかつての賑わいを取り戻せるように、気持ちと余裕のある方はぜひ支援を。支援期限は6月7日まで。

キャンプファイヤー SAVE the のんべい横丁
https://camp-fire.jp/projects/view/260281

編集部・フジイタカシ

渋谷の記録係。渋谷のカルチャー情報のほか、旬のニュースや話題、日々感じる事を書き綴っていきます。

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