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岸記念体育館跡地が「スポーツパークなどを含む公園」として生まれ変わる!

東京2020大会が終わり、代々木公園では、現在の開園区域から国立代々木競技場を挟んで南東側のエリア(岸記念体育会館跡地、都水道局ポンプ所)を新たに整備し、公園を拡張する計画だ。
▲東京都「代々木公園整備・管理運営事業 公募設置等指針」より

このエリアのうち、北側(岸記念体育館跡)の区域を「みどりと集いのゾーン」、南側(都水道局ポンプ所)の区域を「雑木林とヒーリングガーデンのゾーン」と位置づけ、2つのゾーンを一体的に利用できるように「回遊性が高い空間」にするとともに、代々木公園A地区・B地区の森林公園としての連続性にも配慮し「緑化」を行うという。

▲「岸記念体育館」(撮影:2019年7月)。スポーツ競技団体の本部が集積する同ビルは、1964年の東京オリンピック開催時に同所に移転。老朽化に伴い、新国立競技場近くに新施設「JAPAN SPORT OLYMPIC SQUARE」を完成させ2018年に移転。その後、岸記念体育館は2019年に解体され、現在同所は更地になっている

同エリア北側(岸記念体育館跡)の「みどりと集いのゾーン」の整備・管理運営に関しては、都として初めて都市公園法に基づく公募設置管理制度(Park-PFI)を活用し、民間企業に管理運営を委託することで、その施設から生じる収益を活用した公園整備や運営を行い、都の負担を軽減を目指すという。今年8月にプロポーザルで公園整備運営事業者を募集し、11月に東急不動産を代表とし、東急、石勝エクステリア、東急コミュニティーで構成される「代々木公園STAGES」が指定管理者に決まった。

▲渋谷区初のPark-PFIとして、2021年4月にリニューアルオープンした「渋谷区立北谷公園」。

Park-PFIといえば、昨年渋谷区でも初めて実施され、今春に神南にある「渋谷区立北谷公園」を大リニューアルし、園内にブルーボトルコーヒーをオープンさせている。今まで地味な存在であった公園が民間の力を加えることで、人が集う明るい空間へと変貌を遂げた。

一方で南側(都水道局ポンプ場)の「雑木林とヒーリングガーデンゾーン」は現在、東京都水道局のポンプ所として利用しており、今後、先行する北側エリアの進捗状況に合わせて、公園整備を進めていく予定だという。事業者の選定等に関しては未定。

さて、東急不動産が提案する「みどりと集いのゾーン」の整備内容に関して、具体的に見ていこう。

▲施設整備イメージ

新たな公園は「来園者が相互に感性を刺激し合う舞台を整備することで、自分らしく輝くことができる公園の創出」を目指すという。面積4,182平方メートル。主な園内の施設は、屋内外でスケートボードを楽しめる「アーバンスポーツパーク」や、ヨガなどが行える「多世代健康増進スタジオ」、屋内外で飲食可能な「フードホール」、さらに公園中央にはイベントなどが開催できる「発信テラス」や、人々が集う「にぎわい広場」などが設けられる予定である。
▲上部から公園を俯瞰したイメージ

もともと同所にあった岸記念体育館は、日本のスポーツ競技団体の本部が集積する総本山としての役割を果たしてきた建物だっただけに、跡地である同公園もスポーツパークやスタジオなど、スポーツや健康増進を目的とした施設の整備が目立つのが特徴だ。

同エリア周辺では、2019年に渋谷区新庁舎、渋谷公会堂が生まれ変わり、NHK放送センターも建替工事が進んでいる。1964年の東京オリンピックを契機に開発された同エリアが、半世紀以上を経て、大きく変わろうとしている。渋谷と原宿の間にあるこのエリアは、今まで人が集う場ではなかったが、新たな公園整備に伴い、人の流れがどう変わるのか期待が高まる。

公園の供用開始は2024年(令和6)年3月の予定。

編集部・フジイタカシ

渋谷の記録係。渋谷のカルチャー情報のほか、旬のニュースや話題、日々感じる事を書き綴っていきます。

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