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小川隆夫 著 『ジャズ楽屋噺』発売

この日記を通じて常々「渋谷でレコードを買おう」と主張し、注目盤のレビューをしてきた筆者ですが…、今回は少々趣きを替え、この5月に発売となったばかりの新刊書籍を紹介します。ジャズ・ジャーナリスト、小川隆夫氏が書いた『ジャズ楽屋噺 愛しのジャズマンたち』(東京キララ社・刊)(写真1)。 小川さんは日本を代表するジャズ評論家にして現役の医師。マイルス・デイビスの治療をし、至近距離からこのジャズ界の帝王を追い続けたルポを多数発表している。
まあ、ジャズファンならばその辺のことはご存知でしょう。『ジャズ楽屋噺』では、小川さんがニューヨーク大学の医学部に留学中に知り合ったジャズミュージシャンたちとの交流を中心に、様々な面白エピソードが60編収録されています。
「ジャズは聴きたいけど、どのアルバムやアーティストから聴き始めたらいいかわからない」そんな方にうってつけの本です。軽快な文章で綴られたショートエッセイを読み込むうちに、いつのまにやら読者はいっぱしのジャズ通になっているハズです。

小川さんのエッセイをより引き立てているのが、イラストレーター、久原大河氏によるゴキゲンなジャズ・イラスト(写真2)。ミュージシャンの“粋”を実に味わい深く表現しています。 本文中では、渋谷・宇田川町のジャズ専門レコード店『discland JARO』も紹介されています。もっともこの店はハイパー・マニア向けですが…
同書は渋谷タワーレコードのジャズ書籍コーナーで平積みでレコメンドされています。手に取って2、3編パラパラっと読んでみてください。買って続きを読みたくなるハズですから。

ここ最近、渋谷ではレコード店に続いて書店の閉店・移転も相次いでいます。レコードも買わない、本も読まない、で、現代人は一体何にお金を使っているのでしょうか?20歳の頃筆者は、3度の食事を2度にして(しかもその2回はカップラーメン)本とレコードを買い漁ったもんです。皆さん、渋谷からレコード店と書店が消えないように、どしどし本を読んで、音楽を聴きましょう。

高橋慎一(フォトグラファー)

98年よりフリーランス・フォトグラファーとして独立。現在、雑誌・書籍・CDジャケットなどで活躍中。また、ライターとして音楽関係、海外紀行、ドキュメント記事等を雑誌や書籍で精力的に執筆。

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