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ガンダーラのハコ船

現在、シネ・アミューズ『天然コケッコー』が公開中の山下敦弘監督。その山下監督の短編ドキュメンタリー映像を集めた特集上映がUPLINK Xで行われています。『ガンダーラ映画祭 〜真夏のリプライズ! 会田誠&山下敦弘特集!』と銘打ったこの特集上映では、山下監督の下記の3作品を見ることができます。


『子宮で映画を撮る女』(2006年/DV/32分)
…某カンヌ映画祭でグランプリ受賞の女性監督をモデルにした抱腹絶倒のフェイクドキュメンタリー。


『不詳の人』(2005年/DV/32分)
…怪しげなアクターズスクールを主宰する男の言動を記録したサスペンスフルなドキュメンタリー。


『パリ、テキサス、守口』(2007年/DV/26分)
…山下敦弘自身が「失敗作」としてフィルモグラフィーから抹消した映画『よっちゃん』を探る旅。



明らかに某『殯(もがり)の森』の女性監督を意識した『子宮で映画を撮る女』の解説文からも、山下監督の着眼点のセンスと、モデルになった女性監督のパワフルな人柄が伝わってきます。僕が観たことのある山下作品は『リアリズムの宿』と『リンダ リンダ リンダ』だけですが、“日本のジム・ジャームッシュ”とも呼ばれる山下監督の“オフ・ビートで乾いた笑いの感覚”は、こういった遊び心のあるドキュメンタリー映画でこそ本領発揮となることは間違いなさそうです。

前回の『第2回 ガンダーラ映画祭』では、会田夫妻の2作品がどちらも趣味に合わなくて今ひとつだっただけに、今回は山下監督のプログラムが楽しみです。どれも『フィッシング・ウィズ・ジョン』並のゆるくて隙間感の溢れる作品となっていることでしょう。入場料も各プログラム1,000円(当日)とお得。楽しみです。

編集部・M

1977年東京の下町生まれ。現代アートとフィッシュマンズと松本人志と綱島温泉に目がないです。

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