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DATA × SHIBUYA データから探る渋谷の日本一

渋谷はどんな分野で「日本一」になっているのか?定量的な調査データをもとに、意外に知られていない渋谷の隠れた魅力を紹介します。

DATAアイコンビジョン広告の広告価値の高さ

ビジョン広告の広告価値の高さ

渋谷の屋外ビジョンを「ジャック」する値段は?

渋谷は、全国屈指の屋外ビジョンの集積エリアだ。駅前スクランブル交差点の4面をはじめ、街中には多くの屋外ビジョンが設置されている。屋外ビジョンの主な用途の一つが、ビジョン広告だ。ビジョン広告は、街に集まる人々の年齢層、性別、職業といった属性を踏まえて訴求する効果的な広告手法である。ほかに、映像・音声・文字の情報を同時に発信できるために情報量が多かったり、地域のシンボルとなり、ランドマーク効果があったり、地域密着型の情報発信ができるなど、さまざまな独自性・優位性を備えている。

それでは、スクランブル交差点を囲むように設置されているQFRONTの大型屋外ビジョン「Q's eye」、その左隣の大盛堂書店壁面にある「わかさ生活チャンネル(旧 MightyVision渋谷/スーパーライザ渋谷」、右隣の109-2ビル壁面にある「109フォーラムビジョン」、三千里薬局の上部にある「グリコビジョン」の4面を同時に借り切ってシンクロした場合の料金は、どれくらいになると思われるだろうか。


より大きな地図で 屋外ビジョン を表示

1 日の間に、15 秒間の広告を 30 回(1 時間に 2 回)流した場合、50 万円弱の料金が かかるそうだ。スクランブル交差点の待ち時間は 90 秒、1 回の青信号の間に約 2~ 3000 人が同時に渡り、1 日の歩行者数は多いときで平日約 50 万人を数えるロケーシ ョンである。大量の音と映像によって、そのスクランブル交差点を瞬間的に「ジャック」 できる金額としてはコストパフォーマンスが高そうだと考える人が多いのではないだろ うか。また 4 面ジャックの瞬間をスチール写真や映像で残し、ブログや SNS で拡散し て広告を二次利用するケースも少なくない。1 日あたりのビジョン広告の放映料合計 では、渋谷は都内の他の街を抑え、ダントツの 1 位だ。情報感度の高い人々が大勢 集まるため、広告価値が高いと判断されているのだろう。

Q'S EYE リニューアルで、広告価値がいっそう高まる

ここで簡単に屋外ビジョンの歴史を振り返ってみよう。日本で最初に大型の屋外ビジ ョンが登場したのは 1980 年。新宿アルタの開業とともに放映をスタートした「アルタビ ジョン」である。渋谷では1987年10月、ファッションビル「109-2(現・109MENS)」が開業し、同時にその壁面に大型カラービジョンの「109フォーラムビジョン」が登場。その後、1995年4月に大盛堂書店の「スーパーライザ渋谷(現、わかさ生活チャンネル)」、1999年12月にQFRONTの「Q'S EYE」と、大型ビジョンが次々に登場した。東日本大震災の翌日から節電協 力のために大型ビジョンが消灯された間は、静けさが街を包み、普段の渋谷と比べる と異様な雰囲気が漂っていた。いまやスクランブル交差点の大型ビジョンは、渋谷の 活気を象徴する存在といえるだろう。

2011年3月14日、渋谷駅前の街頭ビジョンはすべて消灯し、静けさに包まれた。

現在、渋谷の屋外ビジョンのシンボル的存在となっているのが、Q'S EYEだ。ビジョン広告ではテレビCF素材が放映されることが多いが、Q'S EYEではオリジナルコンテンツにも力を入れている。中でも、開業以来、実施していた「Message a 55」は、特に注目度の高かったコンテンツだ。これは、一般から寄せられたメッセージを、毎日18時から23時まで、毎時55分から無料で放映するというサービスで、「好きな人へのサプライズな愛の告白」や「大切な友人への感謝・応援」などに利用する人が多かった。残念ながら現在は終了しているが、2013年7月にはmixiで「つぶやいた投稿」が表示される「渋谷の中心で愛をつぶやこう」というサービスを期間限定で実施するなど、形を変えて受け継がれている。

2013年7月、Q'S EYEは比率16:9、2画面構成にリニューアル

スマホと連動した「デジタル花火大会」の様

Q'S EYEは、誕生から12年が経過した2013年7月にリニューアルした。従来のメインビジョン1画面からバナービジョンを加えた2画面構成、比率も16:9に変更し高精細なCF素材の流用が容易となり、広告価値がいっそう高まった。さらにリニューアル時には、今後の街頭ビジョンの可能性を示唆するユニークなキャンペーンが開催されたことでも大きな話題となった。その一つである「渋谷デジタル花火大会」は、抽選で選ばれた人が自分のスマホをコントローラーとして、Q'S EYEに好きな色のバーチャル花火を打ち上げるという企画だ。花火とともにFacebookの自分のアイコンが大画面に映し出された瞬間、渋谷駅前広場で歓喜の声を上げる人びとの姿が印象的だった。また同7月、森永乳業による「マウントレーニア」のキャンペーンでは、Q'S EYEを含めた屋外ビジョンの音声を利用した日本初のスタンプラリーが実施された。屋外ビジョンから対象のCM映像が流れる際に、スマホ音声認識アプリ「Stac」を起動すると、CM音声をキャッチして自動的にスタンプが貯まり、「マウントレーニアコーヒー」と引き換えできるというユニークな試みとなった。従来、屋外ビジョンは映像の垂れ流し的なイメージが強かったが、こうしたスマホなどとの連動により、インタラクティブな(双方向型)新しい広告の可能性も見え始めてきた。今後も渋谷の街は、デジタルサイネージの聖地として存続し続けていきそうだ。

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