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KEY PERSON キーパーソンが語る渋谷の未来

渋谷を中心に活躍する【キーパーソン】のロングインタビュー。彼らの言葉を通じて「渋谷の魅力」を発信します。

プロフィール

1947年生まれ、香川県高松市出身。劇団「WAHAHA本舗」主宰・代表取締役・演出家・放送作家。日本大学芸術学部在学中に永六輔主宰の作家集団に所属し、テレビ番組「ゲバゲバ90分」で放送作家デビュー。以降、「コント55号のなんでそうなるの」「たけしの元気が出るテレビ」「爆笑問題のすすめ」など、数々のバラエティー番組の制作に携わる。1984年に佐藤正宏、柴田理恵、久本雅美らと劇団・芸能事務所「WAHAHA本舗」を創立し、全作品の作・演出を手掛ける。現在は、テレビや舞台、コンサートの構成・演出以外にゲームや本、ビデオなど様々なメディアで活躍するほか、映画・漫画・フィギュア・ピンバッチのコレクターとしても知られる。


劇団でもあり芸能事務所でもある「WAHAHA本舗」を主宰し、放送作家や舞台演出家として活躍する喰始(たべはじめ)さん。当初から事務所を渋谷に置き、ご自身も古くからの付き合いだという渋谷の街の変遷、また渋谷の演劇シーンに対する思いや小劇場の在り方などをお聞きしました。

渋谷は「モダンな街」というイメージ

--渋谷との出会いはいつ頃でしょうか?

恋文横町があった頃ですので…渋谷とは古いですよ〜(笑)。当時は実際に代筆屋さんがいたぐらいですから…。パルコができる以前の渋谷が大好きで、渋谷が一番「東京」というイメージでしたね。僕は香川県の出身なので東京に幻想があったんですが、実際に東京に出てきたら「田舎だなあ」と感じたんですね。ところが渋谷だけは地下鉄がビルの中に入っていったりして、ビルの中に駅があるというイメージが未来っぽく感じました。渋谷はモダンな街、というイメージでしたね。恋文横町の中に洋書の古本屋があったりして、当時の渋谷にはすごく憧れていましたね。

--拠点を渋谷に置いたのはどうしてでしょうか?

1983年の東京ディズニーランドのオープンとWAHAHA本舗の設立が同じ年なんですね。WAHAHA本舗を作るときに、貧乏くさいのがイヤだったので、自分たちの稽古場を持ちたいと思ってメンバーと一緒に探していたところ、この場所を見つけました。渋谷や青山に近いというだけで高級なイメージもあり、地下ですが空間も広かったのでここに決めました。稽古に行くときにウキウキする気持ちを持ちたかったんですね。「事務所が青山にある」と言うと、無名の劇団でも興味を持たれるので良かったですね。渋谷周辺にあるということが一番大きい。みんなが憧れてくれましたよ(笑)。一時は近くにNODA・MAPやサードステージの事務所があって、このあたりは演劇関係の会社も多かった時期もあります。

--今も渋谷はよく利用されますか?

事務所に来るときに1〜2時間ほど渋谷をぶらぶらしてから来ます。僕は映画が大好きなので、「TSUTAYA」と「HMV」と「まんだらけ」が定番のコースですね。センター街でご飯を食べることが多いのですが、センター街だけはモダンにならずに残っていますよね。全部が全部きれいになっちゃうとつまらない。どこか整備されていないところに文化は発生するんですよね。NHK側の裏の方ではおしゃれなお店ができていたりしますし、スペイン坂もそうですけれど、何でもないところがこじゃれたブティックになっている。その広がり方が面白いですよね。

「若者の街」と言われて、あまりにも若い人を意識しすぎている

--渋谷にいる若い人たちを観察することはありますか?

残念ながら、僕は今、若い人の方を向いていないんですね。「若い連中はついてこい」がモットー。街も同じだけど、大人が合わせすぎたからよくなくなったと思っています。若い人が「あそこに行かなくちゃ」と思わせるようなものを大人が作るべきですね。前衛的であったり、先鋭的なものを作っているのは大人だったりしますから。渋谷にいる若い人を見ていると、「30代、40代になったら渋谷から離れて行っちゃうのではないか」と思っちゃう。そう思わせてしまうのは、実はいい街ではないかもしれませんね。「渋谷は若者の街」と言われますが、あまりにも若い人を意識しすぎているんじゃないでしょうか。もっと別の世代や別のカルチャーが入ってきて初めて、街は大きく変わるような気がしますね。

--渋谷に足りないものは何でしょうか?

すごく残念なのは、あるイベントがあっても、一般的じゃないことでしょうか。東急ハンズの「ハンズ大賞」などでも、意外に普通の来街者には馴染みがないですよね。固定客だけで動いてしまって関係ないお客さんがついてこない。要するに街ぐるみのものがないんじゃないかな。例えばセンター街辺りでも、あるときだけ街の雰囲気が一変するようなイベントが必要なのかも。路上パフォーマンスやストリートアートのようなものをどこかが主導になってやってほしいね。昔、あるアートのイベントがあって、渋谷の駅前から一斉に何万匹のモンシロチョウを飛ばせたことがあったんですよ。渋谷はそういうお洒落なことが似合う街。それが、昔からある渋谷の良さでしょうね。そういうお洒落なことを大人がもっと考えてあげないといけませんね。でも大人は渋谷の街を歩きづらいところがありますから、逆に「格好いい大人を見せる」ような機会があってもいいかもしれません。チョイ悪オヤジじゃないけれど、格好いいオヤジが渋谷に集結し、若者がそれを見に来るようなイベントを企画するべきですね。僕もセンター街は問題ないですけれど、パルコには入れません(笑)。50歳を過ぎると「場違いなのかな」と思ってしまいますからね。

「WAHAHA本舗」事務所にて

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