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SPECIAL 旬の渋谷を感じるカルチャー特集

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06 ツアーを終えて

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器だけでは仕上げられない「渋谷のエッセンス」が自発的に生まれてくる街へ

【ガイド】建築史家・斉藤理さん

建築史家・斉藤理さん

1972年生まれ。東京大学大学院建築学専攻修了。博士(工学)。東京大学研究員のほか、慶応義塾大学などで講師を務め、2011年より山口県立大学准教授、中央大学社会科学研究所客員研究員。2004年、まち歩き企画「東京あるきテクト」開始。2007年より建物一斉公開イベント「open! architecture」の企画・監修。2010年より東京都観光まちづくりアドバイザー。著書に『東京建築ガイドマップ──明治大正昭和』(共著、エクスナレッジ、2007)など。

ツアー全体を振り返っていかがですか?

増築を繰り返してきたと百貨店内には、現在あまり使われていない階段や通路が残されている。

東館は継ぎ接ぎだらけで分かりにくいし、暗いところ、狭いところ、「この階段を行くと、どこへたどり着くのか?」とか、入り組んでいたところもあったりして謎めいていました。

でも、街も基本的にそうならないと面白くないんですよ。明るいところだけではなく暗いところがあったり、人為的だけではなく自然がつくったり、突発的な偶然や間違いなども加わってつくられていくもの。いかにもアジア的ですよね。アジア的ということは、人のエネルギーが浮かび上がっていく。それがキレイすぎると、人の手の跡が見えないものになっていく。今回のツアーは、迷宮を分け入っていくような、すごく渋谷らしい経験ができたような気がしています。

これからの再開発が進んでいく渋谷ですが、今後の渋谷の街がどのようになってほしいですか?

渋谷の街づくりは、そもそも文化的な面があったと思います。すごく大きな箱というよりも、文化は人を中心につくられていくもの。駅を中心に増築を繰り返して小さいものを積み重ねてきたという、その作り方そのものにも渋谷らしいヒューマニズムを感じる。道玄坂方面は今でも小さな商店の集まり、スクランブル交差点には人が行き交う。猥雑でありながらも、人が中心とした街づくりの痕跡をそういうところに見ることが出来ます。これから本格化する渋谷駅周辺の再開発では、スケールの大きなプロジェクトが進行していますが、単に大きな箱というよりも、それぞれがこだわりによってゾーン分けされ、渋谷ならではの個性的な施設が出来たらいいなと思います。個人的には丸の内とか日本橋のような開発を真似てほしくない。渋谷には渋谷でしか出来ないものがあるし。渋谷のファンは、今まで他の街では得られない刺激を渋谷で受けてきただけに、そこを軸にすることを外してほしくないです。

具体的なアイデアはありますか?

例えば、デパ地下の原点である「東横のれん街」にしろ、ステーション型デパートメントストアにせよ、渋谷が切り拓いてきた領域というのがあって。それを今までにない斬新な切り口で見せてほしい。器が大きくなっても「考えてみたら渋谷発祥だね」というような要素が集積していて、それを目指して文化的なことに関心の高い人、単なる消費者ではない人びとが刺激を求めて集まってくる、そんな個性を大事にする街が生まれたらいいなと思います。すごく変な人がいたり、変なイベントが起きているのを、みんなが見に来る。人が人を見に来るという磁力がとても大事で。そういった人たちが集まってくる仕掛けづくりによって、器だけでは仕上げられない「渋谷のエッセンス」が自然発生的に生まれてくると思います。

間もなく東急百貨店東館(右)や、かまぼこ屋根の旧渋谷駅(左)などは徐々に取り壊し工事が進み、この見慣れた風景ともお別れ。今後、渋谷駅は2020年に地上46階の東棟、2027に中央棟(地上10階)、西棟(地上13階)が完成し、新しい渋谷へと変貌を遂げていく。

「旧渋谷駅、解体工事始まる」特集

同特集のツアー以降、旧渋谷駅の解体工事が徐々に始まっています。ウェブサイト「渋谷フォトミュージアム」の「旧渋谷駅、解体工事始まる」特集内に解体工事の様子を撮影した写真をいくつか収録しています。ぜひご覧ください。

渋谷フォトミュージアム
渋谷フォトミュージアムSS
  • 01 はじめに
  • 02 外観編
  • 03 階段室編
  • 04 地下トロッコ道編
  • 05 屋上編
  • 06 ツアーを終えて

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