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「なんだ、これは!」
若木くるみさん扮する岡本太郎のパフォーマンス

岡本太郎記念館(青山)で現在、「岡本太郎の『いきもの』」展が開催中。
岡本作品には様々な「いきもの」たちが描かれている。それは地球上に存在する動物なのか、それとも架空の動物たちなのか、はたまた人間なのか…。大きな顔に真ん丸の目玉がギョロギョロとして、私たちに何かを訴えているようなパワーや生命力を感じさせる。

中でも岡本太郎さんがデザインした近鉄バッファローの球団マークは必見!当時、最下位であった近鉄が「バッファロー」のごとく強いチームになることを願って、制作したもの。あのマークに至るまでの過程もよく分かる。

仕事で疲れた時にフラリとここに立ち寄ることで、何か元気がもらえるような、そんな場所。

さらに近鉄バッファローの球団マークが展示されている向かいでは、特別展示「若木くるみ『お面』」のライブパフォーマンスが行われている。昨年第12回岡本太郎芸術賞の大賞を獲得した若木さんの最新作。詳しい内容は、こちらをご欄ください。
「人とのコミュニケーションが苦手だ」という若木さんは、取材時も言葉は少なめであったものの、一旦パフォーマンスのスイッチが入った途端に豹変。まるで岡本太郎は降霊したかのような若木さんの所作、唸るような発声に圧倒されるばかり。
ハーフミラーに映る観客、若木さん扮する岡本太郎、展示される岡本太郎の写真、「いきもの展」の展示作品、さらにそれを鑑賞する来場者たち…、様々な人びとの「顔」が1つのミラーに重なり合う。若木さんはミラー上で次々に変化するその光景を感じながら、自作の岡本太郎マスクにペイントを繰り返していく。まるで本物の岡本太郎に出会ったかのような、そんな錯覚すら覚える。
24歳の若木さんは本作品について「『顔って何だろう?』と考えて欲しい」と鑑賞者にメッセージを投げかけつつ、マスクの色を次々に塗り替えながら「自分は一体何なの?」と自問自答を続けているという。若木さんの肩書きは?と尋ねると「フリーター」と。自身をアーティストと自覚していないことが、若木さんの良いところ。今後の活躍を大いに期待したい。

岡本太郎の「いきもの」展
◯会期:〜2010年2月28日(日) 10:00〜18:00(入館は17:30まで)
◯会場:岡本太郎美術館
◯料金:一般600円、小学生300円

特別展示「若木くるみ『お面』」
◯会期:2月3日(水)〜2月8日(月)

編集部・フジイタカシ

渋谷の記録係。渋谷のカルチャー情報のほか、旬のニュースや話題、日々感じる事を書き綴っていきます。

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