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海外旅行気分が味わえる「世界の朝ごはん」を神宮前で
WORLD BREAKFAST ALLDAY

2013年にオープンした WORLD BREAKFAST ALLDAYは、「朝ごはんを通して世界を知る」をコンセプトに世界の朝ごはんを1日通して提供してくれるお店。2カ月ごとにひとつの国にフィーチャーした朝ごはんを食べることができるとあって、通年大人気です。

ドアを開けると細長いテーブルがひとつだけ。14席というコンパクトさだが、店内に入ると壁の色、こまごまと置かれたグッズ、テーブルを飾る花。そのどれもが海外に来たようなわくわく感にくわえ、どこか懐かしい落ち着く空間となっている。

オーナーの木村顕さんは、大学で建築を専攻。ヨーロッパを訪れた時に古い建物が残る街並みに惹かれたことをきっかけに、日本の伝統建築にも興味を持つようになったそうだ。その後、「日光イン」という宿泊施設をオープン。
「海外の方といろいろ話したいと思って質問するのですが、「あなたの国について教えて」と言っても、漠然としか答えてくれない。自分もそうですよね、日本についてどれだけ話せるかと考えたら、そんなに答えることってできないですし。そのうち、「どんなものを食べるの?」と聞くとみんなが自分の日常に沿った食べ物やその国独特の食べ方なんかを教えてくれるということに気づいたんです」

そこから、次第に「朝ごはん」には国の特徴が表れていると気づいたそう。

「今でも、お店にいらした方に「あなたの国の朝ごはんを教えてください」と聞いて、次の朝ごはんの参考にさせてもらったりしています(笑)」

これまでに提供された朝ごはんは、アメリカ合衆国、ロシア、ペルー、スペイン、 モロッコ、フランス、台湾、トルコ、キューバ、デンマークなどなど。国の名前を聞いてスペシャリティがすぐに思いつくところもあれば、いったいどんなごはんなのか想像がつかない場所もある。

たとえば、タヒチの朝食は、フランスパンと一緒に新鮮なマグロと野菜をレモンとココナッツミルクで和えたタヒチの伝統料理「ポワソンクリュ」をメインにして、「プアロティ」と呼ばれるチャーシューに、カットしたフルーツをオーブンで焼いた「ポエ」を添えたワンプレートに仕上げてくれる。

ノルウェーの朝ごはんは、穀物がたっぷり詰まった茶色いパンとさまざまな種類のポーレッグ(パンにのせる具材の総称)がメイン。チューブに入ったたらこのペーストやサバのトマト煮、スモークサーモンなどノルウェーならではのものから、ハムやチーズ、野菜まで。

行ったことのある国だと「そうそう、これ食べたよね」と思うし、行ったことのない国の場合は、「この素材をこういうふうに食べるのか」と興味深く感じる。

2020年6月、7月(8月2日まで)は、「ベルギーの朝ごはん」が提供されている。

スライスしたパンにバターを塗り、フロマージュ・ブランという白チーズのクリームをベースにたまねぎなどが入ったタルティーヌソースとラディッシュを乗せる。丁寧な仕事で、見た目も美しい。

左が「フロマージュ・ブランのタルティーヌ」、右はベルギー料理には欠かせない「ハムとチーズ」。シンプルでありながら、しっかりとしたおいしさのロースハムとさらっと溶けるチーズの塩気がばっちりと合う。こちらはスイス産。

左は、「クラミック」と呼ばれるブリオッシュにレーズンの入ったトーストの上にバターを乗せたもの。酪農が盛んなベルギーならではのミルク感とさわやかな酸味が味わえるベルギーの「ビュアナチュール発酵バター」が乗せられています。右は、「ベルギーヨーグルト」の上に爽やかな甘さを感じるルバーブのコンフィチュールが乗せられています。これにゆで卵がついて1500円(税別)。

「フロマージュ・ブランのタルティーヌ」は、濃厚ながらさわやかな口当たり。ハム&チーズと一緒に食べると満足感のあるメインとしての役割を果たしてくれます。パン、バター、ヨーグルトコンフィチュールと、ひとつひとつが日本のものとは“ちょっと違う”味わいで特別なものを食べている感じになれます。

「僕たちは朝ごはんを提供する2カ月のために食材を輸入するルートを確保することはできないので、現地で美味しいと言われているものが日本に入っていることを祈りながら探します。各国の大使館から、ここで輸入されているよという情報をいただいて交渉します」

WORLD BREAKFAST ALLDAYのおもしろいところは、提供される朝ごはんの料理名や、使われている素材についての情報がこのかわいいチラシにまとめられていること。ふむふむと読みながら食べるのと何も知らずに食べるのでは、味わいがまったく違います。また、このチラシは持ち帰れるので、あとから学び直すことができるのも魅力。

「チラシを持ち帰ってくれるとうれしいんですよね。あー、この国や食材に興味持ってくれたんだなと思えるので」と木村さん。

イートインのレギュラーメニューは「アメリカの朝ごはん」「台湾の朝ごはん」「イギリスの朝ごはん(ケジャリー)」の3種類。

こちらの写真は、テイクアウト用に用意してくださったバターミルクのパンケーキとカリカリベーコン、フライドエッグ「アメリカの朝ごはん」。

テイクアウトは、ソーセージ、ベイクドビーンズ、ハッシュドポテトなどの「イギリスの朝ごはん」(左上)、鹹豆漿、蛋餅、飯団がセットになった「台湾の朝ごはん」(右下)。主食のトウモロコシのトルティーヤに目玉焼きと2種類のサルサ、黒豆を煮込んだフリーホーレスとワカモレ付きの「メキシコの朝ごはん」(右上)の4種類に「今月の朝ごはん」が用意されている。(すべて1620円税込)

「20代〜年配の方まで層でいえば幅広いのではないかと思います。女性の方が、食に対する好奇心が旺盛なようで、メニューが変わるごとに来ていただける方もいらっしゃいますね。イートインは、ソーシャルディスタンスと衛生面を考慮しながら、営業時間は少し短くしています。テイクアウトもご利用いただけます」

海外旅行に行くことができない今、「WORLD BREAKFAST ALLDAY」で世界の味を楽しんでみるのはいかが?

WORLD BREAKFAST ALLDAY外苑前店
○住所:渋谷区神宮前3-1-23-1F
※地下鉄「外苑前」駅から5分
○電話 : 03-3401-0815
○営業:7:30-20:00(ラストオーダー19:30) 不定休
2020年7月の営業時間
<平日>  8:00〜16:30(ラストオーダー16:00)
<土日祝> 8:00〜18:00(ラストオーダー17:30)

オオバリエ

楽しく美味しく食べることが好きで、魅力的なお店の情報を聞きつければ都内を中心に車を飛ばして行きまくり。憧れは海外旅行に行って美味しいものを食べまくることです。

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