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東急百貨店本店とBunkamuraの一体的な開発計画発表! 2023年春に本店解体へ

コロナ禍で小売業界は苦境に立たされている。こうした状況下の中で東急は5月13日、2023年春以降に東急百貨店本店建物を解体し、その跡地と隣接する複合文化施設「Bunkamura」を一体で開発する「道玄坂二丁目24番土地開発計画」を発表した。

▲東急百貨店本店

東急百貨店本店は、もともと渋谷区大向小学校のあった土地を購入し、1967年11月1日に東横店に替わる本店として同地に開業。1989年には、隣接する駐車場スペースにBunkamuraを開業し、音楽や文化、演劇などの文化施設と一体化する百貨店として機能と規模を拡大してきた。

▲東急百貨店本店に隣接する複合文化施設Bunkamura

開業から54年を迎え、建物の老朽化が進み、百貨店そのものの業態が問われる中、コロナ以前から建物の建て替えや再開発の話は出ていたが、長引くコロナがその決断を早めた可能性もあるだろう。

今回の開発計画は、東急株式会社、株式会社東急百貨店のほか、高級ブランドLVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)グループにより設立された不動投資・開発会社L Catterton Real Estate(Lキャタルトン・リアルエステート)の3社で推進していくことで合意。今後、開発計画の推進に向け、具体的なプランの検討・設計を行っていくという。

Lキャタルトンは世界中で投資を行っているが、2017年には森ビル、住友商事と組み、銀座最大の複合施設「GINZA SIX(ギンザシックス)」を開業し、日本市場への投資も本格化している。今回、東急とのタッグにより、「渋谷版のギンザシックス」が誕生するのか注目だ。

▲上空から見た東急百貨店本店(画像提供=東急)

発表内容によれば、2023年春以降に東急百貨店本店の建物解体工事に着手、隣接するBunkamuraも同計画に合わせて大規模改修工事を実施ため、2023年4月より長期休館する予定となっている。Bunkamuraそのものの文化事業は継続されることも発表されているため、文化施設と複合する新たな大規模施設が誕生することはどうやら間違いがなさそうだ。一方で、東急百貨店本店がどういう形で残るのか、渋谷ヒカリエの ShinQs(シンクス)のようにショッピングエリアとして施設内に内包させるのか、現時点では決まっていない。

東急百貨店本店がある文化村通りには、既に工事が進んでいるが、もう一つ大きな再開発案件が動いている。ドン・キホーテなどを運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)が、文化村通り沿い道玄坂二丁目地区でホテルやオフィス、商業施設から成る複合施設を建設している。

▲パース左側はドンキが手掛ける大規模複合施設 右側は東急百貨店本店

高さ116メートル、地上28階建ての大規模複合施設(1〜3階=商業店舗、4〜10階=オフィス、11〜28階=ホテル)の開業は、2023年春頃を予定している。そのため、向かい側にある東急百貨店本店閉館とほぼ同じタイミングで、入れ替わるように新たな施設が生まれることになる。開発工事が始まると、どうしても街全体に重々しい雰囲気に包まれてしまうため、新たな施設のオープンで文化村通りの賑わいを維持し続けてくれるのは、東急にとっても有難いことだろう。

渋谷駅再開発終了が2027年を予定しているため、それに合わせて2027年頃までには東急百貨店本店跡地に新たな施設が生まれるのではないだろうか。現段階ではあくまでも憶測であるが、今後、同エリアの動向から目が離せない。

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編集部・フジイタカシ

渋谷の記録係。渋谷のカルチャー情報のほか、旬のニュースや話題、日々感じる事を書き綴っていきます。

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