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桜丘町・さくら坂の桜が見頃に。牧野博士をモデルのNHK「らんまん」とのコラボも

今週は晴れたり雨が降ったり、はっきりしない天候が続く。こうしたなか、東京では4月を待たず早くも桜の見頃を迎えている。渋谷駅周辺の名所といえば、やはり桜丘町のさくら坂だ。大規模再開発が進む同エリアであるが、コロナ禍が落ち着き、今年は沿道両側に並ぶ桜を見物・撮影する人びとの姿が多い。

▲渋谷駅西口歩道橋デッキからの眺め(2023年3月24日撮影)▲さくら坂上からの眺め。桜のトンネルが出来上がっている。

一番の見物スポットは、国道246号線にかかる渋谷駅西口歩道橋デッキからの眺め。淡い可愛らしいピンク色に染まった日中もいいが、夜間のライトアップに照らされた怪しく妖艶な雰囲気のさくら坂も素敵である。

▲ライトアップ時間は17時~23時(4月9日まで)。歩道橋からの眺め。

現在、桜丘町では「桜まつり」を催しており、さくら坂の桜ライトアップは4月9日まで。また24日(金)・25日(土)の週末は、インフォスタワー前広場や渋谷区文化総合センター大和田で「大和田マルシェ」「模擬店」「ライブ」などのイベントを催している。

中でも今年は、植物学者・牧野富太郎博士(1862-1957)をモデルにしたNHK朝ドラ「らんまん」とコラボした企画が目立つ。牧野博士は高知県の出身であるが、実は渋谷との縁も深い。30,40代、駒場・東大の東大理学部植物学教室で助手として働いていた時代、渋谷・大和田小学校(現、文化総合センター大和田、渋谷インフォスタワー)あたりに住んでいたという(駒場東大まで徒歩30分以内)。

▲渋谷インフォスタワーの植栽スペースに植えられている「宇宙桜」。残念ながら撮影時(2023年3月24日)には、桜は咲いていませんでしたが。今年も22日頃に何輪かの花を咲かせたそうです。

さらにさくら坂の上、インフォスター前広場の植栽スペースには、「宇宙桜(ワカキノサクラ)」という桜木が植えられている。
▲「宇宙桜」の説明が書かれたプレート

2008年、稚木の桜(ワカキノサクラ)の種子は、宇宙飛行士・若田光一さんと一緒にエンデバー号で宇宙に運ばれ、宇宙ステーション「きぼう」に8カ月以上滞在して地上に帰還。その種子から発芽して成長した桜が「宇宙桜」と呼ばれる。同所に植えられている宇宙桜も、その育った苗木の一つを寄贈いただいたものである。

ちなみに同所に植えられている宇宙桜の品種は「ワカキノサクラ」という。牧野博士が、故郷である高知県高岡郡佐川町で発見し命名した桜の品種の一つであり、ここでも牧野博士と不思議な縁がつながる。
▲渋谷インフォスタワー前広場。週末、文化総合センター大和田とこちらの広場で様々なイベントが行われる。

こうした「桜名所・桜丘町」と「牧野博士」「宇宙」との縁から、今回のさくら祭りでは、NHK朝ドラ「らんまん」や「牧野富太郎ふるさと館」の告知紹介のほか、文化総合センター大和田内にある「コスモプラネタリウム渋谷」で「宇宙桜と春の星座」に関するプログラム上映や宇宙桜のアートコンテストなど、ユニークな企画やプログラムでお祭りを盛り上げる。 ちょうど見頃を迎えるさくら坂のソメイヨシノであるが、牧野博士は「ソメイヨシノは都会にふさわしい桜」と評している。まさに渋谷に似合う桜と言っても過言ではないだろう。

残念ながら週末は雨模様となる予報である。桜見物に出かける方は、突然の天候の変化に備える雨具や防寒着も忘れずに。

編集部・フジイタカシ

渋谷の記録係。渋谷のカルチャー情報のほか、旬のニュースや話題、日々感じる事を書き綴っていきます。

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