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渋谷はグラフィティの聖地になる!?

渋谷駅から明治通りを恵比寿方面に向かった途中に「都バス 渋谷車庫前」があります。たまたまこの車庫前を通りかかると、以前まで薄汚れていたコンクリートの壁にきれいなペイントが施されていました。


インターネットで調べてみたところ、下記のようなニュースを見つけることが出来ました。

「『安全な街に』壁画で願う 渋谷」 (東京新聞 8月3日付)
「今日から都バスの巨大壁画スタート!」 (日本デザイナー学院ブログ)

東京都と渋谷警察の依頼を日本デザイナー学院の学生たちが引き受け、地元の小学校や中学校の子供たちとともに長さ50メートルにも及ぶ巨大な壁画を制作したようです。日ごろ街中で見かける落書きがおどおどろしいものが多いだけに、小鳥がいたり、ライオンがいたり、魚が泳いでいたり・・・、いかにも小学生のかわいらしいペインティングが梅雨明けした青空に映えていました。子供たちにとっては、夏休みの良い思い出になったことでしょう。

とかく、街を汚すイリーガルな落書きは社会問題化される中、昨今では落書きのレベルを超えたリーガルなグラフィティアートも徐々に注目をされ始めています。以前、当ウェブサイトのキーパーソンに登場したNPO法人KOMPOSITION代表の寺井元一さんは、渋谷の街を合法的にアーティストのキャンバスとして開放し、落書き防止に貢献しながら若手アーティストの支援する活動を積極的に行っています。もともとアンダーグラウンドなイリーガルなカルチャーシーンから生まれてきたグラフィティも、徐々に”芸術”としての認知が高まりつつあるのは確かなようです。たとえば、ロンドンでは、世界的に有名なグラフィティアーティストのバンクシーが描いた映画「パルプ・フィクション」のジョン・トラボルタとサミュエル・L・ジャクソンが銃の代わりにバナナを持っているグラフィティを、ロンドン交通局が落書きと勘違いして消してしまい、世界中のファンからの大ブーイングを買ったという事件も起こっているほど。もはや単なる落書きとはあなどれない、そんな時代がやってきているのかもしれません。

参考: 渋谷にあるグラフィティマップ (合法、非合法のもの含む)

さて最後に壁面といえば、ここ最近、「ハチ公から太郎へ。」というポスターを渋谷駅で目にする機会が増えました。これは1960年代に岡本太郎がメキシコで描いた壁画作品「「明日の神話」を渋谷へ招致しようとする運動をPRするものです(招致プロジェクト公式ページ)。2006年に汐留・日本テレビにて一般公開されていたこともあって、直にご覧になった方もきっと多いのではないでしょうか。実に縦5.5メートル、幅30メートルにも及ぶ巨大な壁画ですから、渋谷の新名物になることは間違いないでしょう。ちなみに設置場所は、今のところ井の頭線とJR山手線を結ぶ連絡通路を予定しているそうです。

小学生のペインティングから岡本太郎まで、様々な意見もあると思いますが、渋谷は将来的に世界的なグラフィティアートの聖地になるかもしれませんね。

編集部・フジイタカシ

渋谷の記録係。渋谷のカルチャー情報のほか、旬のニュースや話題、日々感じる事を書き綴っていきます。

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