今回のブックセレクターは、スクランブル交差点の向かいQFRONT 6、7Fにあるブック&カフェ「SHELF67」の雑誌担当・佐藤幸枝さん。「おすすめのファッション雑誌」を3冊ピックアップしてもらった。ファッション好き必見!
「SHELF67」の売り場面積は6Fが80坪、7Fが100坪。6Fはワークスタイル、ライフスタイル、旅、カルチャー、エンターテイメントを、7Fはファッション、雑誌、写真集、アートといったジャンルで構成。コンセプトは「にぎやかな書斎」。ファッションやカルチャーの棚を中心に、渋谷を意識した品ぞろえに注目だ。
小学館の提案する「全くあたらしい」カジュアルファッションマガジン。好奇心旺盛な20代女性が本当に知りたいことをぎゅっと詰め込んだ読み応えのある一冊。2015年11月に創刊。2016年春ごろ発売の次号のテーマは「恋愛」(予定)。
<佐藤さんのオススメポイント>
これから社会に出て働き始める、いわゆる「大人の世界」に足を踏み入れようとしている20代前半の女性が楽しめると思います。表紙にあるように、「大人なんて、たいしたことなくない?」というのがこの雑誌のテーマです。大人になる過程は、ちょっとの希望とたくさんの不安を抱えているもの。そんな悩める20代の背中をそっと押してくれる一冊です。創刊号の特集は「進路」。DJみそしるとMCごはんさんや、平井紗季子さん、内沼晋太郎さんなどさまざまな分野で活躍される人々のルーツに着目した特集「あこがれの仕事につく100人の図鑑」は必読です。この人選を見て分かる通り、ただのおしゃれ雑誌ではなく、文化系の香りが漂っている点もひとつの特長です。出版元は小学館さんなのですが、「This!」は、別々のジャンルの雑誌を作っている編集長3人による合作だそうです。ファッションのみならず、さまざまな要素が詰まった刺激的な一冊に仕上がっています。
「RECKLESS」とは「むこう見ずな」の意。「Fashion×Culture=Entertainment」をコンセプトに掲げ、foolish(=ばかげたこと)について真剣に考え、エンターテイメントとして昇華した雑誌。ハイセンスな編集デザインにも注目。3月24日発売の2/10号の特集は、「はじまりは妄想から」。
<佐藤さんのオススメポイント>
窪塚洋介さんの表紙のカッコよさ、中身のおもしろさ、ユニークさ、デザイン性の高さ、サイズ感、質感、あらゆる点から「これは売れる!」と入荷した時から思っていて、現にかなり購入されています。余裕を持った男性の悪ふざけといいますか、ファッションあり、カルチャーあり、エロありで、20代〜30代前半の男性が好きそうなものがギュッと凝縮された刺激いっぱいの雑誌です。創刊号の特集は「大人げなくてもいい」。表紙の窪塚洋介さん、ミスター適当男・高田純二さん、「大人計画」の皆川猿時さん、元モー娘。の加護亜衣さんのインタビューが掲載されており、サブカル好きにはたまらない一冊と言えます。おもしろいのが、表紙に1/10とあるように、既に、2018年までに全10号でリリースされることが決まっています。終わりを設定して作っている雑誌という点で、なかなか新しい試みだと思います。
2014年12月に創刊したインディペンデントファッションマガジン。既存のファッション雑誌とは一線を画し、生き方も含めた独自のファッションスタイルを追求・提案する。創刊号「STUDY #1」の特集は「シャツ」。2015年に1年ぶりに発行された「STUDY #2」は質・量ともにパワーアップ。
<佐藤さんのオススメポイント>
代官山蔦屋のインディーズ部門で1位を獲得した雑誌でもあるのですが、こちらは、取次を通さないで販売している直販本のため、取り扱っている書店はそれほど多くはないと思います。従来のクリッピングスタイルに警鐘を鳴らし、新しいファッション雑誌の在り方を提案しています。本誌でフィーチャーされる5名は、ショップのスタッフや古着店の販売員など、既に独自のファッションスタイルをもっている人たちです。ファッションの知識もあり、流行も把握している、いわゆるファッションのプロ。そんな彼らのバックボーンや生活、生き方、仕事などを紐解きながら、たどり着いた先のファッションスタイルに着目します。ファッションが本当に好きな人こそ楽しめる、おしゃれの醍醐味が味わえる、そんな一冊です。
取材・文/ 田賀井リエ(代官山ひまわり)
<関連記事>
ホテルのラウンジ!? 渋谷TSUTAYAに大人の書籍フロア「SHELF 67」が出現