全国各地からスポーツとは異なる視点で集まった魅力あるプロダクト・アート作品をピックアップ
d47 MUSEUMでは8月7日から、伝統と挑戦を切り口に日本のものづくりを紹介する「デザイン物産 2014」が始まった。
今回47の都道府県から集められたのは、「工芸」と「食品」。d47 MUSEUMではそれぞれに対してその土地に昔からあるものかどうかという「orijin」と、その土地にあるものが進化しているものかどうかという「プラスデザイン」という視点を導入。会場に配した47の展示台に「長くその土地に続くもの」と「それが進化した事例」を同じように並べることで、日本のデザイン物産を俯瞰する試み。流行表現に終わらないリ・デザインのあり方を見つけてみては?
期間中には伝統的な発酵食品である「こうじ」に着目し、米こうじでつくった甘酒の試飲と、麦こうじをつかった「醤油麦こうじ」づくりを体験できるワークショップ(8月23日、13:00〜14:30、16:00〜17:30)も実施予定。
d47 design travel atoreでは8月7日から「NIPPON VISION GALLERY 愛媛県」と称し、230年あまりの歴史を持つ愛媛県の砥部焼を並べる展示販売を行っている。
砥部焼は愛媛県砥部町を中心に作られる陶磁器。1700年代後半に砥石のクズを原料に始まり、1800年に入ると陶石が発見され、技術も革新的に向上したという。厚手で丈夫な白い磁器に、呉須(ごす)と呼ばれる藍色ののびやかな筆使いで描かれる唐草や菊絵などの文様が特長。成型から絵付けまでの多くが手作業で行われる。窯元は現在では100軒以上にのぼり、日常の器として使われる。
同展はD&DEPARTMENTが取り組む作り手や産地に焦点を当てた展示販売企画「NIPPON VISION Gallery」の一環として開催。店頭には130年以上に渡り砥部焼を牽引してきた梅山窯と、
独自に釉薬の研究を続ける中田窯をの2窯の砥部焼がラインアップ。普段使いの器の美しさを楽しめる展示となっている。
ART GALLERYでは8月27日から、陶芸作家芦田尚美さんによる一点もののオブジェや器などを紹介する企画展「ポケットダイビング」が開催される。
芦田さんは1975年、京都府生まれ。2000年に京都市立芸術大学大学院美術研究科工芸専攻陶磁器を修了し、現在は京都市の松ヶ崎を拠点に制作活動を展開する芦田さん。伝統的な技法に根ざしながら、どこか西洋的な色彩感覚をもった陶磁器づくりが特徴で、日常使いの器を中心に、季節や空間にあわせた期間限定の出品を行なっている。IDEE、CLASKA Gallery & Shop "DO"などのインテリアショップや、大手百貨店などで取り扱う。
同展では会場の一部をポケットの中に見立て、より自由な発想で制作された一点もののオブジェや器などを中心に展示。『不思議の国のアリス』など、様々なテーマやモチーフを取り入れ、まるで絵本を広げたような楽しい世界を作り上げる。また新旧の作品や「AMETSUCHI」シリーズなどの器もおり交ぜて紹介する。アートと陶芸の中間でただよう独自の世界観を楽しみたい。