ワインがひときわ美味しく感じられる秋。「裏渋谷」ワイン地帯で秋の夜長を楽しもう!
小さなお店はいつも開店とともに満員。2008年に開業した富ヶ谷の「アヒルストア」はカウンターがメインの立ち飲みワインバーですが、おいしい自然派ワインとパンでたちまち人気に。その後、お店のある神山町界隈には続々とワインバーやバルが出現し、界隈のバルブームをけん引したお店と言われています。
賑わうアヒルの魅力は豊富なブルゴーニュのビオワイン、フォカッチャを始めとする自家製パンに加え、ここでしか食べられない工夫のある数々の自家製フード。しかしこのお店の吸引力のコアは、お店を切り盛りするご兄妹の笑顔と、温かい接客による居心地のよさ、かもしれません。
手作り感が嬉しいフードはボリュームもあり、荒々しい肉の食感が楽しめる豚肉と鶏レバーのパテ(800円)や山椒と醤油の自家製ドレッシングでいただくアボカドとタコのサラダ(900円)は、ビオワインとの至福のマリアージュを知る常連さんたちの定番食。ワインは基本ボトルオーダーで、値段と解説が書かれた瓶が窓際にズラリと並びます。グラスでオーダーできるのは赤と白それぞれ2〜3種類で、親切な店員さんの説明を聞いて好みのものをチョイス。写真は果実の濁りが特徴的なフルーティーな白ワイン(1,000円)で、アボタコサラダとの相性も最高。何をいただいてもワインがすすみ、心地良いざわめきの中、立ち飲みでもついつい長居になってしまいます。
また「おいしい!」と評判のパン類はテイクアウトもできるので、足を運んでも満席で入れない場合は、パンだけでも手に入れてみては。温もりとこだわりが詰まった味に、小さな巨人の人気の一片を知ることができるでしょう。
平日18:00〜18:30に訪問できる場合は予約可とのこと、土曜はフリーのみ。足を運んで入れなくても、何度もトライしてみる価値はあるバーです。
松濤、神山町エリアの入口に位置する東急百貨店 渋谷・本店の地下には、常時約3,000種類もの世界のワインを揃える、まさに圧巻!…のワインショップが。「お酒は趣味でありファッションである」のコンセプトで、資格を持つワインアドバイザーたちがデイリーから特別な日の一本まで、その時々のシーンに合わせたワイン選びをサポートしてくれます。『小布施ワイナリー』の銘柄など最近人気の日本ワインも充実。土日に店舗奥のカウンターで実施される有料のテイスティング会は、毎月の新着ワインやプレミアムワインが高価なロブマイヤーのバレリーナグラスでいただけることでも話題に。ワイン愛好家たちも「ワイン選びに困ったら」足を運ぶ、ワイン生活に欠かせない拠点として支持を集めています。
ソムリエ石田博氏監修、ワイン愛好家のために造られた神泉のワインアパートメント1Fに、東京を代表する押上のワイン&ビストロ『遠藤利三郎商店』がコラボ。吹き抜けの空間には天井まで届く書架のようなワイン棚。常時500種類が揃うワインと洗練されたお料理で、本家同様、予約の取りにくいレストランとして注目を集めています。1Fのカウンター席で軽く飲む、フロア席で仲間と愉しむ、ロフト席で料理とワインをじっくり味わうと、どんな夜にもフィットするフトコロの広さも魅力。写真はその日おすすめの本日のスパークリングワイン(グラス750円)、白レバーのムースやパルマ産プロシュートなどのオードブル盛り合わせ(1,500円)ほか。高級感のある雰囲気ながら価格は手ごろで使いやすい、心憎いワインレストランです。
神泉仲通り、ガラス張りのデッキスペース前にはワインの瓶がズラリ。このディスプレイからもわかるように『CAFE BLEU』はワインにも力を入れたカフェで、朝からワインが愉しめてしまいます。お店のfacebookにはお昼のワイン(蔵王スター)がグイグイ進んでしまいそうなランチの写真も続々とアップされ、覗いてしまうと思わずソワソワ気分に。夜はビオワインと日本ワインが豊富に揃い、提供されるお料理も国産の生ハム(1,200円)やチーズをはじめ、千代幻豚や岩泉短角牛を使ったメニューが並び、カフェとは思えないこだわりよう。自家製の朝の食パンの美味しさも評判で、朝から深夜まで「食とワインの幸せ」が味わえるカフェです。※写真は「本日の泡」グラス650円。
事前に相談すれば食材、ワインの持ち込みもOKといユニークなビストロ。「がっつり食べたい時はがっと」と言われるほど、ボリューム満点の料理で知られる小さな人気店。オードブル2品とメイン1品のプリフィクスコースは2,800円のリーズナブルプライスで十分お腹いっぱいに。家庭的な店内は選択肢豊富なプリフィクスで愉しむ常連さんたちでいつも賑やかです。3,000円を切るフランス、スペインのボトルワインもいろいろで、手頃な値段でお料理とワインを味わいたい夜におすすめのお店です。※写真はランチで提供される骨つき鶏もも肉のコンフィとソーセージのグリル。前菜のキッシュ、ライス、ドリンクつき1,000円で、お昼もボリュームばっちり。
ポルトガルの修道院で生まれた塩気のあるエッグタルトやチキンパイが、赤ワインや微発泡の白ワインととても合うことをご存知でしょうか。『ナタ・デ・クリスチアノ』は富ヶ谷のポルトガル料理店『クリスチアノ』で出される本場式のお菓子や惣菜、パン、ポルトガルワインが買えるショップ。自家製缶詰のポルトガル産魚のパテは鮮度にこだわり、販売はこのお店のみ。猫のラベルの写真のボトルは微発砲のフルーティーな緑ワイン『ガタオ』(1,100円)と、イワシのパテ(4個入り400円)。新鮮なパテもおうちワインの時間をさらに豊かにしてくれます。お菓子類はオンラインでも購入可。黄金色のタルトがじつに美味しそうです。
ライター/サーフライダー 2005年よりランチを中心にシブヤ界隈の飲食店情報をつづるブログ『渋谷・恵比寿ランチジャーナル』を運営。40代でITの世界にとらばーゆ(死語ですが)した変わりダネだが、以来、若い人たちとの交流のおかげで、唯一の自慢はとにかくキモチが若いこと。周囲から「安くておいしい店を」「気分転換に効く店を」と乗せられてのいい店探しが老化防止に大きく役立っている。老けたくないみなさんには、若い人たちとの食べ歩きを推奨です。一緒に繰り出しましょう♪