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BOOK × SHIBUYA 渋谷の書店がオススメする3冊

渋谷ではたらく人びとに向け、渋谷にショップを構える書店員が月替わりで「今、読んでおくべき本」を紹介します。

今回のテーマ

旅行コンシェルジュが選ぶ「春をイメージする本」

代官山 蔦屋書店の書籍フロアでは、「人文・文学」「アート」「建築・デザイン」「クルマ」「料理」「旅行」という6つのジャンルが展開されており、それぞれに担当コンシェルジュを配置している。このコンシェルジュたちによる選書フェアが「代官山 蔦屋書店の100冊」だ。現在開催中の第4弾のテーマは「春をイメージする本」(2月17日まで)。100冊には、各コンシェルジュの言葉が添えられている。ふと、「旅行」担当コンシェルジュ・権正恩さんの言葉が目に留まった。

「二十歳、異国へ留学をした。そしてカメラを買った。目的のない旅に出て出会った人、物、風景を写真に残した。母国で私の輝く瞬間を見られないと悲しんでいた母のために。Springtime、青春の旅を残しませんか?」

権さんは韓国・釜山出身。日本の大学へ留学・卒業した後、「企画」に興味を持ち、カルチュア・コンビニエンス・クラブに新卒で入社。SHIBUYA TSUTAYA勤務を経て、2014年4月より代官山 蔦屋書店へ。現在、旅行の「ON JAPAN」というコーナーで外国人に向けて、日本のことを知ってもらう選書・企画を定期的に行っている。「働く場所も住んでいる場所も異国」という権さん。常に「旅」をしている感覚を持ち続けているという。今回の「シブヤ×ブックス」は、代官山 蔦屋書店の「旅行」コンシェルジュ・権正恩さんがブックセレクター。「春をイメージする本」で選んだ「青春の旅」の10冊のうち3冊をピックアップし、紹介してもらった。もうすぐ春。この3冊を胸に、素敵な旅を計画してみませんか?

今月のブックセレクター

権正恩さん(代官山 蔦屋書店 「旅行」コンシェルジュ)

3つの建物から成る「代官山 蔦屋書店」。その3棟を貫く5メートルの「マガジンストリート」をインデックスとして両脇に「人文・文学」「アート」「建築・デザイン」「クルマ」「料理」「旅行」の6つのフロアで構成される。コンセプトは「本、映画、音楽を通してライフスタイル提案をする『大人のための文化の牙城』」。居心地の良い空間で、幅広い世代に人気だ。


店 名:
代官山 蔦屋書店
住 所:
東京都渋谷区猿楽町17-5
電 話:
03-3770-2525
営 業:
1F 7:00〜26:00
2F 9:00〜26:00
定 休:
無休

ブックセレクターからのオススメ

「FREE TOKYO~フリー(無料)で楽しむ東京ガイド100」

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タイトル
FREE TOKYO~フリー(無料)で楽しむ東京ガイド100
著 者
ジョー横溝
出版社
ブルース・インターアクションズ
発売日
2011/1/21
価 格
1,728円(税込)
サイズ
21.2cm
ページ
144P




東京の無料スポットを100カ所、紹介するガイドブック。「東京藝術大学奏楽堂モーニングコンサート」「池波正太郎記念文庫」「池上本門寺人生相談」「自衛隊見学ツアー」など、穴場スポットが多数掲載されている。

<権さんのオススメポイント>
私自身、大学の時に東京へ来てからというもの、もう10年以上経つのですが、東京という街はとてもおもしろくて、飽きることがありません。そんな東京の魅力がぎゅっと詰まったのがこのガイドブックです。春には上京してくる方も多くいらっしゃると思います。特に学生さんは、あまりお金がないかもしれません。けれど、驚くべきことに、東京には無料で楽しめる魅力的な場所がいっぱいあるんです。当店には、地方から上京されたお客様も多数足を運んでくださるのですが、そんな方々にも好評です。渋谷区も「香林院」の無料座禅会など、いくつかユニークなスポットが紹介されていますので、ぜひ手に取ってみてください。

「パリでメシを食う。」

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タイトル
パリでメシを食う。
著 者
川内有緒
出版社
幻冬舎
発売日
2010/07
価 格
741円(税込)
サイズ
15cm
ページ
334P




パリで懸命に生きる日本人10人に焦点を当てたルポルタージュ。ミシュランに載るような三ツ星レストランで修行している人、アーティストを目指している人、オペラ座で漫画喫茶を開いた人、花屋さんで働く人など夢に向かって生きている人たち――それぞれの人生を鋭い洞察力としなやかな文章力で描く。


<権さんのオススメポイント>
「私も頑張っていこう」と思わせてくれるそんな一冊です。内容は、著者の川内さんがパリに住む日本人に会いに行き、取材をし、まとめたもの。タイトルの意味でもある、「パリで生計を立てている」人たちが、どんな気持ちで、何を夢見てパリで生きているのかが十分に伝わってくる内容となっています。旅行先を選ぶときは、どうしても「場所」ありきとなりがちですが、魅力的な「人々」がいる場所は、その「場所」も魅力的な気がします。この本を読むと、この人たちに会いたい、だからパリに行ってみよう、という気持ちにさせるおもしろさもあります。これから春を迎えるにあたって、自分の進むべき道について悩んでいる人にも、ぜひおすすめしたい一冊です。

「しまなみ島走BOOK(改訂版)島遊びの達人がおすすめするサイクリングの解体新書!」

タイトル
しまなみ島走BOOK(改訂版)島遊びの達人がおすすめするサイクリングの解体新書!
著 者
宇都宮一成+シクロツーリズムしまなみ
出版社
NPO法人シクロツーリズムしまなみ
発売日
2014/04
価 格
1,404円(税込)
サイズ
21cm
ページ
144P





地元・しまなみの自転車乗りである著者が手掛ける、しまなみ海道を自転車で旅する人向けのガイドブック。観光情報や、レンタサイクル情報、サイクリングロードの走り方など、しまなみ初心者から上級者まで役立つ情報が満載。


<権さんのオススメポイント>
広島・尾道市から愛媛・今治市を走る「瀬戸内しまなみ海道」を自転車で横断するための旅行ガイドブックです。この本はNPO法人シクロツーリズムしまなみが自費出版で作った本なので、一般書店ではあまり見かけないかもしれません。昨今、自転車ブームですが、実は、しまなみ海道のガイドブックってあまり出版されていないのです。この本の中には、しまなみ海道を結ぶ各島の「行く」「見る」「食べる」情報がたっぷり載っているので、旅行前の必読書と言えます。しまなみに行ったことのある人によると、春に行くのがベストとか。波の音や風の香りを感じ、パノラマ風景を楽しみながら、自転車で島巡りをしてみてはいかがでしょうか。


取材・文/ 田賀井リエ(代官山ひまわり)

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