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独断と偏見で「2019年の渋谷」を振り返る

いよいよ2020年が始まりましたが、年始最初の記事は恒例の「ニュースランキング」からスタート! 開業ラッシュに沸いた昨年の渋谷を改めて振り返ってみましょう。

★なお、ランキングの順位は、あくまでも独断と偏見で決めたものであるため、やや偏りや違和を感じる人もきっと多いかもしれませんが、ご容赦ください。

<独断と偏見で選ぶ!2019年、渋谷ニュースランキング>
1位:渋谷スクランブルスクエア開業 東京を一望できるパノラマビューが話題に
2位:渋谷パルコ開業、公園通りの賑わいが復活へ
3位:東急プラザ渋谷開業、若者の街で「シニア層」をターゲットに
4位:FOREVER21閉店 次はどこが入るのか?
5位:「開業を祝う」メッセージを送り合う 心温まる話題
6位:「渋谷駅東口地下広場」の供用開始
7位:東急百貨店東横店が閉店発表 駅周辺の再開発に伴い
8位:空前のタピオカ大ブーム タピオカマップも
9位:新元号発表で渋谷駅前に大群衆
10位:渋谷ハロウィンで飲酒禁止に

1.渋谷スクランブルスクエア開業 東京を一望できるパノラマビューが話題に

渋谷駅の大規模再開発の中で、最高峰となる高さ約230メートルを誇る「渋谷スクランブルスクエア東棟」が11月1日にオープンした。同施設は2027年までに「中央棟」「西棟」が加わり、全3館体制の巨大な駅ビルに変貌を遂げる。その中で今秋にオープンした東棟は、「ランドマーク」に当たる存在と言えるだろう。
▲ひときわ目立つ渋谷スクランブルスクエア東棟。

低層部は「商業エリア」、中層部に新たなイノベーションの創出を目指す産学連携交流施設「渋谷QWS(キューズ)」、高層部には「オフィスエリア」で構成。一般の方々が利用できる商業エリアには、「東急フードショーエッジ」(B2F)、「エキュートエディション」(1F)などのフード&スイーツフロアや、「東急ハンズ」(10F)、「TSUTAYA BOOKSTORE」(11F)などのライフスタイルグッズフロア、さらにNHKが運営するギャラリー&イベントスペース「NHKプラスクロスSHIBUYA」(14F)も入居するなど、1日居ても見飽きない多彩なコンテンツがそろう。
▲46階から47階の屋上空間へ上るエスカレーター。眼下に渋谷スクランブル交差点が見える。

中でもいち押しは46・47階に位置する屋上空間「SHIBUYA SKY(渋谷スカイ)」だ。「スカイ」の名称の通り、230メートル上空から「渋谷スクランブル交差点」はもちろん、東京の街が360度パノラマビューで一望できる。また、囲いがシースルーのガラス壁のみのため、視線を遮るものが一切なく、屋上スペースに足を下ろした瞬間の開放感や爽快感は何ものにも代えがたい。今まで渋谷の観光スポットといえば、「渋谷スクランブル交差点」や「忠犬ハチ公像」など地上レベルで楽しむものがメインであったが、「渋谷スカイ」のオープンで渋谷観光に強力なコンテンツが加わったといっても過言ではないだろう。

2.新生「渋谷パルコ」開業、公園通りの賑わいが復活へ
3.東急プラザ渋谷開業、若者の街で「シニア層」をターゲットに

2016年8月の一時休業から、実に3年3カ月ぶりに渋谷パルコが復活。パルコ休業から公園通りから賑わいが消えていたが、10月の「LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)」開業に続き、11月22日に新生パルコがグランドオープンし、ストリートに活気が戻りつつあるように感じる。▲白い外壁が特徴の新生渋谷パルコの外観。スペイン坂側1階から外回廊をぐるぐる巡っていくと、屋上スペースまで上ることができる。

新生パルコの中で、特に目が離せないのは6Fの「ポケモンセンターシブヤ」、任天堂の国内初直営オフィシャルショップ「ニンテンドートウキョウ」などゲームやキャラクター、マンガなのコンテンツを集積させたデジタル×サブカルチャーフロア、さらに地下1Fの飲食街「カオスキッチン」だ。今までパルコといえば、「女子」「ファッション」というイメージが強かったが、「サブカルチャー」「フード」にも力を注ぎ、男性やインバウンドも含めた幅広い層に向けてテナントリーシングを行ったことがよく分かる。
▲地下1階のカオスキッチン。左上)昆虫食が食べられる鳥獣虫居酒屋「米とサーカス」 左中)未来日本酒&SAKEBAR 左下)極味や(ハンバーグ) 中央上)ユニオンレコード渋谷 中央中)旧パルコで使っていたネオンのロゴ「C」を装飾に活用する 中央下)立ち飲み「ビールボーイ」 右上)ミックスバー「Campy!bar」」 右中)パルコ運営の「ギャラリーエックス」 右下)串カツあらた

中でも「カオスキッチン」では、立ち飲み屋や昆虫食が食べられる店、串揚げ、ラーメンなどの飲食店のほか、新宿二丁目の雰囲気を持つミックスバー、コンドーム専門店、レコードショップなど、いわゆる商業施設内のオシャレなフードフロアとは全く異なるお店が軒を連ねる。高架下や横丁などの街の怪しく猥雑な雰囲気を、そのまま地下スペースに再現している。他の商業施設とは一線を画するユニークな提案は、いかにもパルコらしいチャレンジングな試みといえるだろう。

▲渋谷フクラスの低層部に入居する「東急プラザ渋谷」

続いて、3位にも渋谷駅西口で12月5日にオープンした「東急プラザ渋谷」がランクイン。今秋は大型商業施設の開業ラッシュで沸いた渋谷だが、東急プラザ渋谷が渋スクやパルコと大きく異なるのは「ターゲット設定」だ。「若者のまち」と呼ばれる渋谷の中で、東急プラザは「40代以上」、特に「シニア層」を中心とした店づくりを行い、独自色を強く打ち出している。
▲左上)旧東急プラザで店舗を構えていた「渋谷松川(うなぎ)」も復活 左下)漢方専門店「NIHONDO KAMPO BOUTIQUE」右上)生前葬や終活、還暦祝いなどライフサポートサービスを展開する「LIFE STORIES SAKON」 右下)シニア向けの豪華な旅を提案する「High Premium HIS Hills Shibuya」

たとえば、還暦パーティや生前葬などのプランニング、ゴージャスな船旅の提案、年金・資産運用の相談、さらには補聴器専門店や体質に合わせた漢方相談できるブティックなど、シニア層が気になる情報やショップがそろう。また、旧東急プラザに入っていた「渋谷 松川(うなぎ)」「玉寿司」が飲食フロアに復活するなど、かつての常連客らにも親しみやすいテナントリーシングが行われている点も見逃せない。

4.FOREVER21閉店 次はどこが入るのか?

「ニューオープン」の話題が目立った2019年の渋谷でしたが、一方で4位には「Forever21閉店」がランクイン。米ロサンゼルス発のファストファッションストアチェーンである同店は、2009年4月に原宿・明治通り沿いに日本1号店を出店。翌年にはセンター街のHMV跡地に「渋谷店」がオープンするなど、ファストファッションの代表格として日本市場での展開に力を入れてきた。昨今の市場環境の変化から失速し、1号店の原宿店は2017年10月に閉店。今夏には米FOREVER21が破産申請を行い、10月末で渋谷店を含む国内全14店が閉店した。ハロウィンで浮かれる渋谷の街とは対照的に、センター街の渋谷店の照明が真っ暗に消えていたのが印象的であった。
▲FOREVER21の看板

渋谷店の閉店から約2カ月が過ぎたが、6フロアある同ビルの新しい出店計画は発表されていない。さらに渋谷スクランブル交差点から見える大きな看板も、未だに掲出されたままになっている。HMV→Forever21とバトンタッチされた同ビルの次も、やっぱり外資系企業が入居するのだろうか?

7.東急百貨店東横店が閉店発表 駅周辺の再開発に伴い

閉店といえば、7位にも「東急百貨店東横店が閉店発表 駅周辺の再開発で」が挙げられた。東急百貨店東横店の場合はFOEVER21のような売上不振ではなく、2027年まで続く渋谷駅周の大規模開発に伴うもの。東急百貨店東横店の歴史は、1934年(昭和9年)11月1日に開業した東横百貨店(東急百貨店東横店東館)まで遡る。「都心(東)で働き、郊外(西)で暮らす」という新しい都市生活を支える「鉄道会社直営のターミナルデパート」として成長を遂げ、1954年(昭和29年)に「西館(玉電ビルの増築)」、1970年(昭和45年)に「南館」が加わり3館体制に。長きにわたり親しまれてきた東横店であるが、2013年3月に東館が閉店・解体。それから6年間を経て、今秋11月1日に東横線・地上駅舎跡地に「渋谷スクランブルスクエア東棟」がオープンした。「渋スク東棟」開業日と「東横店東館」開業日が一緒というのも何か因果を感じずにはいられない。
▲銀座線が飛び出す「東急百貨店西館」は、渋谷を代表する建築物の一つ。

東館に続き、来年3月31日には残る西館・南館も閉店することが正式発表され、東横店85年間の歴史にいよいよピリオードが打たれることになる。1月からは「85年分の東横総決算」と題した全館イベントがスタートし、売り尽くしセールのほか、「東横デパートの思ひ出展」などの特別企画等も行われるという。

5.「開業おめでとう!」メッセージをライバル同士で送り合う 粋な計らい

「渋谷スクランブルスクエア」(11/1開業)、「渋谷パルコ」(11/22開業)、「渋谷フクラス」(12/ 5開業)と新商業施設が続々と開業する中で、ライバルである「渋谷モディ」が各施設の開業を祝う「おめでとうメッセージ」をデジタルサイネージ上で上映し、注目を集めた。
渋谷駅周辺には、渋谷モディと同じ系列の「渋谷マルイ」のほか、東急グループが運営する「SHIBUYA109」「渋谷ヒカリエ」「東急百貨店本店・東横店」、西武・そごう系の「西武渋谷店」など、大規模商業施設が数多く集積。さらに今秋に渋スク、パルコ、フクラスが加わり、施設間の集客競争のより一層の激化が予想される。こうした中で渋谷モディは「新宿や銀座などの地域競争に渋谷が勝っていかなければいけないため、むしろ一緒に盛り上げていく仲間が増えることはウエルカム」と前向きに捉え、今回のお祝いメッセージを送ったという。

一方で「お祝いメッセージ」を送られた渋谷スクランブルスクエアや渋谷フクラスは、この粋な計らいに感動し、その気持ちに応えるべく、渋谷モディへの感謝をデジタルサイネージで返した。本来は広告スペースとして販売をしている放送枠であるが、企業間障壁を乗り越え、互いにエールを送り合う姿は何とも微笑ましいエピソードといえるだろう。

6.「渋谷駅東口地下広場」の供用開始&「出入口番号刷新」

「迷宮」「迷路」と揶揄される渋谷駅であるが、各施設の開業と共に新たな通路や、縦移動をスムーズにするエスカレーター等が整えられ、まだ不完全ではあるが、以前よりも移動がしやすくなった。中でも11月に供用を開始した「渋谷駅東口地下広場」は、渋谷の各エリアへのアクセスを簡便にするハブ的な役割を担う。
▲新たに供用を開始した「渋谷駅東口地下広場」。カフェスペースやトイレなども備える。

たとえば、ハチ公前広場から渋谷スクランブルスクエア東棟、渋谷ヒカリエ方面への移動をスムーズにするほか、来年五輪前に開業を予定する宮下公園方面に向かう出入口「B7」も新設され、渋谷駅東口地下広場を通り抜ければ、渋谷のあらゆるエリアへたどり着ける。
▲新たに生まれた出入口「B7」。宮下公園方面へのアクセスをスムーズにする。

同時に、今まで規則性のなかった駅地下構内の案内誘導サインも刷新し、渋谷駅周辺をA〜Dの4つのゾーンに分ける「エリア制」を導入。たとえば、渋谷駅ハチ公前広場側は「A」、渋谷駅東口・渋谷ヒカリエ側は「B」、渋谷川・渋谷ストリーム側は「C」、渋谷駅西口・渋谷スクラス側は「D」ゾーンとなる。この4つさえ覚えておけば、行先や方向を見誤ることは大幅に減ることだろう。渋谷が苦手という方は、「渋谷駅東口地下広場」と「出入口番号」をヒントしてみてほしい。

8.空前のタピオカ大ブーム タピオカ容器のゴミ対策も

昨年はタピオカが全国的に大ブームを巻き起こした。おおよその算出だが、ピーク時には渋谷・原宿・表参道あたりに50店舗を超えるショップがあった。また、人気が加速した一方で、タピオカドリンク容器のポイ捨てが大きな問題に。こうした問題解決に向け、SHIBUYA109が中心になって渋谷・原宿かいわいのお店に呼びかけ、他店で購入したタピオカ容器をどこのお店のゴミ箱でも捨てられる、という試みも始まった。これも単なるブームで終わらせないための、施策の一つといえるだろう。季節が変わり、タピオカ人気もやや落ち着きを見せ始めているが、安定してお客さんが入っているお店も多いようだ。2020年、タピオカブームがどう進化するのか、あるいは渋谷・原宿から第2のタピオカが生まれるのか、興味が尽きない。

9.新元号発表で渋谷駅前に大群衆
10.渋谷ハロウィンで飲酒禁止に

サッカーW杯やハロウィン、カウントダウンなど、どういうわけか群衆が集まる渋谷駅ハチ公前広場やスクランブル交差点。「新元号」が発表された昨年の4月1日にも、なぜかどんどん人が集まり始め、発表時間の午前11時半過ぎには身動きがしにくいほど。ちなみに渋谷で何かが起こると告知されていたわけでもない。
▲新元号が発表された4月1日の「渋谷駅ハチ公前広場」の様子。なぜか多くの人々が集まり始めた。

結果、渋谷の街では何も起きず、そこに集まったほとんどの人がスマホのニュースから「新元号の発表」を知ることに。いい意味でも悪い意味でも、そんな期待感が渋谷の街にはあるのだろう。

▲10月31日の渋谷ハロウィンの様子。センター街付近。

同じく渋谷ハロウィンでも毎年、多くの人々が渋谷のまちにやってくる。一昨年、一部の若者たちが暴徒化して逮捕者が出る事態になったことから、昨年はハロウィン対策に向けて、駅周辺での「飲酒禁止」条例を可決し、さらに警備費等に渋谷区は1億300万円の予算を計上するなど、徹底した対策が講じられた。それが功を奏したか否かは明らかではないが、昨年のハロウィンでは、全くなかったわけではないが、一昨年のようなひどいトラブルに見舞わることはなかった。
▲渋谷区職員が「飲酒禁止」のプラカードを掲げた。プラカードは英語や中国語でも表記し、観光客らにもアピ―ル。

自然発生的にこれほど多くの若者や外国人観光客をひきつけ、魅力に溢れたイベントながら、それをうまく活用できていないのは実にもったいない。もう少し知恵を出し合い、「安全で楽しい」渋谷ならではの観光コンテンツとして育てなられないだろうか。

昨年の渋谷は新商業施設が続々オープンし、しばらく再開発工事でうす暗く騒々しかった街が一気に明るくなった。これでひとまず渋谷の再開発が終わりかと思いきや、今年も新年早々から「銀座線渋谷駅」が明治通り上に移設。さらに今春には埼京線ホームが山手線ホームと並び、原宿駅新駅舎も開業するなど、2020年は渋谷の鉄道が大きく変わる一年となりそうだ。夏には五輪開催を控えていることから、そのキャパシティ確保や安全対策も大きな課題となる。中でも新国立競技場、代々木競技場を擁する渋谷には、相当な来街者がやってくるだろう。街がにぎやかになることは決して悪いことではないが、一方で多くの人が集まれば、ごみやトイレ、混乱、トラブルなどの問題も起こりやすい。ハロウィンやカウントダウンなどで、渋谷は多少なりとも予行練習ができているが、果たして本番ではどうなることか。無事に五輪が終わることを心から願うばかりだ。2020年も引き続き、渋谷をウォッチしていきたい。

<過去の関連記事>
・「独断と偏見で「2018年の渋谷」を振り返る」(2019年1月7日)
・「独断と偏見で「2017年の渋谷」を振り返る」(2018年1月9日)
・「独断と偏見で「2016年の渋谷」を振り返る」(2017年1月11日)
・「独断と偏見で「2015年の渋谷」を振り返る」(2016年1月3日)
・「独断と偏見で「2014年の渋谷」を振り返る」(2015年1月3日)
・「独断と偏見で「2011年の渋谷」を振り返る」(2011年12月31日)
・「独断と偏見で「2010年の渋谷」を振り返る」(2011年1月7日)
・「ゆく渋谷ゼロ年代、くる渋谷10年代」(2009年12月29日)

編集部・フジイタカシ

渋谷の記録係。渋谷のカルチャー情報のほか、旬のニュースや話題、日々感じる事を書き綴っていきます。

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