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CULTURE × SHIBUYA 編集室がオススメする3作品

「映画」「アート」「イベント」「ライブ」「ステージ」など、渋谷で公開、開催を予定するカルチャー情報の中から、編集部オススメをピックアップ。

今回のテーマ

自分の生き方どう選ぶ?

記録的な猛暑が続くが、お盆が過ぎて暦の上ではもう秋。夕方のオレンジ色の柔らかい木漏れ日や夜に鳴き出すコオロギの声などに、新しい季節の気配を感じている人も多いのでは?今回は、おもいっきり羽根を伸ばした夏休みを間にはさみ、いよいよ本格的に下半期に突入したこの時期に合わせて、たるんだ生活に活をいれるドキュメンタリー3本をピックアップ。 戦争の爪痕を残す土地に暮らし、独自の方法でメッセージを伝え続ける職人、徹底的にディティールにこだわって、本を「作品」へと昇華させる出版人、自分の価値観を貫いて、新たな世界を切り開いてきた歌手。世界観も方法論も異なる3人に共通するのは、「自分を突き通す」という生き方。情報ばかりが膨らんで迷いの多いこの世界で、自分だけの道を歩んでいく人々が異彩を放つ。あなたはこれから、どんな自分を選びますか?

今月のオススメ

呉さんの包丁

画像
2013年/日本/120分/配給:クリエイティブ21
タイトル
呉さんの包丁
上映場所
ユーロスペース
上映期間
2013年8月24日(土)〜
上映時間
上映スケジュールの詳細は劇場まで
監  督
林雅行
取  材
高良沙葵、本多真子、伊藤文美、市川絵里子、林雅行

ユーロスペースでは8月24日から、台湾、金門島の包丁職人・呉増棟さんを追ったドキュメンタリー「呉さんの包丁」が公開される。金門島は第二次世界大戦後の国共内線で、蒋介石率いる国民党軍と毛沢東率いる共産軍との戦いの最前線にあった島。1949年10月の古寧頭戦では金門島には3万人の共産軍が押し寄せ、国民党軍がそれを撃退。国民党軍は10万の兵をこの島に配備して、1958年8月23日、共産軍が対岸から600門の大砲で金門全域を砲撃した。国民軍もこれに応戦(823砲戦)。共産軍は数週間に渡って48万発の砲弾を撃ち込み、それから1978年末まで双方の群は宣伝弾を撃ち合った。呉さんは現在金門島で、この砲弾を使って包丁を作り、台湾人・中国人の大勢の観光客を相手に販売する。軍事管制下で生活が大幅に制限された少年時代を経て56歳となった現在、「砲弾は僕にとって空からの贈り物だ」と語る呉さん。金門の苦難の歴史を人生として歩んできた男が、包丁に込めるメッセージとは?

世界一美しい本を作る男 シュタイデルとの旅

画像
2010年/88分/ドイツ/配給:テレビマンユニオン
タイトル
世界一美しい本を作る男 シュタイデルとの旅
上映場所
シアター・イメージフォーラム
上映期間
2013年9月21日(土)〜
上映時間
上映スケジュールの詳細は劇場まで
監  督
ゲレオン・ヴェツェル、ヨルグ・アドルフ
出  演
ゲルハルト・シュタイデル、マーティン・パー、ジョエル・スタンフェルドほか

 
シアターイメージフォーラムでは9月21日から、「世界一美しい本を作る」と称されるドイツの小さな出版社・シュタイデルの秘密に迫るドキュメンタリー「世界一美しい本を作る男 シュタイデルとの旅」がスタートする。シュタイデルさんは1950年、ドイツのゲッティンゲン生まれ。1968年にケルンで開催されたアンディ・ウォーホルの展覧会で、その高い印刷技術に感動。同年、地元でシュタイデル社と印刷所を創設した。芸術家のヨーゼフ・ボイス、クラウス・シュテークの版画やポスター制作を皮切りにアートブックを制作。書籍の編集から、ディレクション、レイアウト、印刷、製本、出版までを自社で行う「総合的」なアプローチは他社に例がなく、文学作品では作家のギュンター・グラス、アイスランドのハルドル・ラクスネス作品のほか、社会思想家オスカー・ネークトの著作など、英語とドイツ語の作品に力を入れる。シュタイデルさんに密着し、印刷機から出てくる一枚一枚の写真や原稿をチェックする姿やアーティストたちとの綿密な打ち合わせ、収録作品、使用する紙、インクの選定までにこだわる様子を捉えたドキュメンタリー。効率重視の出版業界において異彩を放つ彼。妥協なき本作りを通して、本、芸術、仕事への愛情に満ちたシュタイデルの世界を堪能したい。

美輪明宏ドキュメンタリー 黒蜥蜴を探して

2010年/63分/フランス/配給:アップリンク/©KIREI
タイトル
美輪明宏ドキュメンタリー 黒蜥蜴を探して
上映場所
アップリンク
上映期間
2013年8月31日(土)〜
上映時間
上映スケジュールの詳細は劇場まで
監  督
パスカル=アレックス・ヴァンサン
出  演
美輪明宏、横尾忠則、深作欣二、北野武、宮崎駿ほか

アップリンクでは8月31日から、美輪明宏の華麗な活動の歴史と実像に迫るドキュメンタリー「美輪明宏ドキュメンタリー 黒蜥蜴を探して」が公開される。美輪さんは小学校の頃から声楽を習い、国立音大付属高校を中退し16歳にしてプロの歌手として活動を始めた。クラシック、シャンソン、タンゴ、ラテン、ジャズを歌ってテレビに出演するようになり、1957年「メケメケ」が大ヒット。独自のファッションと美貌で衝撃を与えた。「ヨイトマケの唄」ほか多数の歌で知られ、寺山修司の「演劇実験室天井桟敷」への出演など俳優としても活躍。自伝「紫の履歴書」はベストセラーを記録している。メガホンを取ったのは、日本映画の配給会社に務めていた仏監督・パスカル=アレックス・ヴァンサン。深作欣二監督が江戸川乱歩原作、三島由紀夫脚本による舞台劇を映画化しカルト的な人気を獲得した映画『黒蜥蜴』でヒロインを演じた美輪さんを知り、その魅力に魅せられて映画製作をオファー。美輪さん本人への密着取材や、横尾忠則氏へのインタビューを行い、1952年の歌手デビューから、2012年のNHK紅白歌合戦で歌われた「ヨイトマケの唄」(1966年)の逸話や生前の深作欣二監督の発言、そして宮崎駿監督『もののけ姫』(1997年)での声優出演時のエピソードまで、貴重なアーカイブ映像を編集。他人からの偏見や決め付けに苦しみながら独自の美意識を貫き、道を切り開いてきた美輪さん。その力強くもあたたかい生き様を通して、あなたは何を感じますか?

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